レッツ連歌(下房桃菴)・2月25日付

(挿絵・FUMI)
◎コノホシノナマエハナントイイマスカ

どこで日本語覚えたのかしら  (松江)植田 延裕

小泉セツはいつも優しく    (雲南)板垣スエ子


◎中腰で後ずさりする露天風呂

湯舟に浮かぶヤマンバの影   (大田)加藤 妙鳳


◎カニさんは涙ながらに語り出し

急げ急げでつい耳を切り    (松江)森廣 典子


◎IターンしてみたけれどUターン

花嫁探しついに断念      (松江)森  笑子


◎よく見ればお前さんではないかいな

フラれて過ぎた長い歳月    (出雲)森山志津江

見越しの松に粋な黒塀     (出雲)栗田  枝

頭まるめて泣かずに出廷    (江津)岡本美津子


◎トンネルを抜けるとそこは過疎の村

週一で行く移動スーパー    (益田)石川アキオ

お茶よばれてる郵便屋さん   (益田)石田 三章


◎臆病なポチはあわてて逃げ帰り

どうしたものかこのキビ団子  (出雲)はなやのおきな

山田の案山子(かかし)きょうは片付け
               (雲南)横山 一稔


◎慌てずに目を合わせずに逃げましょう

まだ返せない借金があり    (松江)花井 寛子


◎箱付きで百万もするブリキ製

たまに役立つ父さんの趣味   (出雲)飯塚猫の子

妻がいるとき届く宅配     (出雲)石飛 富夫


◎生きる知恵彫り込んである東照宮

仲よさそうな嫁と姑(しゅうとめ)
               (益田)竹内 良子


◎初日の出待ちわびている山の上

ブログに綴(つづ)る今の心境 (益田)黒田ひかり


◎きびだんごたった一つで家来にし

首をかしげている永田町    (雲南)錦織 博子

三万円で買った一票      (松江)持田 高行


◎綽名(あだな)しか思い出せない同級生

胸になんだかバッジ付けてる (奥出雲)松田多美子


◎山道をしぐれしぐれと案じつつ

運転免許取ったばかりで    (出雲)原  陽子

正平さんはチャリオ励まし   (松江)高木 酔子


◎ポケットを探してみるがティッシュだけ

ひとことお祝い申し上げます  (松江)中村 清子

並んで待ったスーパーのレジ  (松江)半田 有行

タネを失くして焦る手品師   (松江)神田の 狢


◎爺(じい)ちゃんは自慢の大根置いて行き

年の差婚のそれが馴れ初め   (浜田)勝田  艶


◎泣きながら走って帰るランドセル

追っかけてくる雷の音     (浜田)松井 鏡子

またいじめてる好きと言えずに (出雲)野村たまえ

イカノオスシが役に立ったか
           (広島・北広島)堀田 卓爾

トイレすまして出かけーだわね (松江)佐々木滋子

雪合戦は手加減もなく     (益田)吉川 洋子

お嫁もらうと先生が言い    (出雲)行長 好友

工事現場の母ちゃんを見た   (飯南)塩田美代子


           ◇

 あくまで一般論ですが、接続詞や接続助詞のたぐいは、あまり使わないほうがよいと思います。

 富夫さんの句を、仮に「妻がいるのに…」と改作すると、分かりやすくはなるけれど、その分おもしろさは半減しますよね。

 美代子さんの句は、丸山明宏(現美輪明宏)の「ヨイトマケの唄」―。それ以上は申しませんので、ご存じないかたは、ネットで検索してみてください。涙が出てきます。

           ◇

 次は、きょうの入選句のうち、お気に入りの句を前句に選んで、それに五七五の句を付けてください。

           ◇

 三月第五木曜日、スペシャルの前句は、

  知らぬ間にコンピューターにあやつられ

 こちらの句には、七七の付句をお願いします。

               (島根大学名誉教授)

2016年2月25日 無断転載禁止

こども新聞