きらめく星 プレセペ星団

プレセペ星団=2月5日、三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)
 双眼鏡(そうがんきょう)できれいに見えるよ

 星を見るときには双眼鏡(そうがんきょう)があると便利です。双眼鏡を使うと肉眼(にくがん)では見られない多くのものを見ることができます。

 今の時季の午後8時から10時ごろ、月明かりも街明かりもない暗い空でしたら、頭のほぼ真上あたりに、淡(あわ)くぼんやりしたものが見られます。かに座(ざ)にあるこの雲のような天体は昔から知られていて、プレセペと呼(よ)ばれていました。飼葉桶(かいばおけ)という意味で、昔の人は周りの星をロバに見立て、餌(えさ)を食べているところを想像(そうぞう)したのだそうです。

 はじめて望遠鏡(ぼうえんきょう)でプレセペを観察したのは、約400年前のイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイでした。彼(かれ)はそれが雲ではなく星団(せいだん)、つまり星の集まりであることを発見しました。肉眼では見えなかったものが、望遠鏡で見えたわけです。

 当時の望遠鏡はまだ発明されたばかりで、今の小さな双眼鏡に比(くら)べてもたいへん見にくいものでした。それでもわかったのですから、プレセペ星団を形作っているたくさんの星は、双眼鏡があれば十分に見ることができます。

 逆に、今の望遠鏡だと倍率(ばいりつ)が高すぎて、大きく広がったプレセペ星団の全体が見づらいため、倍率の低い双眼鏡こそ観察するのにぴったりなのです。春の夜空に限(かぎ)れば、プレセペ星団は双眼鏡で見る天体として最もお勧(すす)めです。

 雲のような姿(すがた)が肉眼で見えない場合でも、ふたご座のポルックスと、しし座のレグルスという2つの1等星を星座早見などで見つけ、その中間あたりを双眼鏡で探(さが)してください。宝石箱(ほうせきばこ)をひっくり返したように散らばる星々のきらめきを楽しむことができます。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2016年3月9日 無断転載禁止

こども新聞