島根県高校新聞部の活動紹介

春の研修会で1班が製作した『望月新聞』
 島根県の高等学校新聞部について紹介します。現在九つの高校に新聞部があり(報道部含む)、普段は校内や地域で活動していますが、年に2回、どこかの高校に集合して研修を行っています。研修内容は、新聞部員たちがさまざまな団体や個人に取材をし、学校の垣根を取り払って編成された班ごとに協力し合って、手書きの新聞を作り上げます。普段、学校で作成する新聞は新聞編集ソフトを使ってパソコンで作りますが、研修時は手書きの文字にイラストと、味わい深い新聞が出来上がります。


学校の垣根越え共同製作

 平成27年度は安来高校が事務局でしたので、春の研修では「安来の苺(いちご)」をテーマに、秋の研修では、かつてたたら製鉄のふるさとであったところから「鉄」をテーマに行いました。

秋の研修会でB班が製作した『鉄新聞』
 この交流新聞づくりを通じて磨かれるのは、単に新聞作りの腕だけではありません。取材で出会う初対面の方とのコミュニケーション力、インタビューの中から問題点を捉える能力、そして、それを表現する力など、視野が広がり、人間力が高まります。その結晶が紙面でも掲載している2点の作品です。

 学校新聞には高校生の目から見た社会、あるいは学校という小さな社会の中で起きているさまざまな出来事が取り上げられており、各部員の自己表現の場でもあります。ネット上に書くのとはまた違う、学校の名の下に責任意識を持ちながら書いた自分の記事が多くの人の目に触れる、それは大きな喜びなのです。


出雲高校新聞部 起業家の活動特集

「取材命」がモットーの出雲高校新聞部
 私たち出雲高校新聞部は現在、1、2年生の部員9人で活動しています。勉強も部活動も活発な出雲高校では、「頑張る出雲高校生を応援する」をモットーに、出雲高校生の活躍を校内新聞に載せて発行しています。最近は、地域での取材や、出雲市内の起業家の活動を特集する連載も行っています。これからも学校、あるいは地域の人たちの活躍をたくさん伝えていきたいと思います。校内で発行した『鷹の澤新聞』は、出雲高校のホームページにも掲載しています。ぜひ見てみてください。(直)


新聞製作に取り組む安来高校新聞部員
安来高校新聞部 各部の活躍ぶり掲載

 安来高校新聞部は1年生3人、2年生1人で活動しています。特に1年生がにぎやかで明るく、熱心に部活動を盛り上げています。

 『安来高新聞』では、体育祭や文化祭などの学校行事をはじめ、各部活動の活躍ぶりを掲載しています。また、最近では特集テーマとして「進路決定」や「竹島問題」を取り上げました。安来市内外の中学校にも配布しており、中学校で『安来高新聞』を見て興味を持ち、入学後に入部した人もいます。

 安来高校ではバレー部、フェンシング部が毎年インターハイに出場しています。文化部も写真部、囲碁、そして、私たち新聞部がほぼ毎年のように全国総文祭への切符をつかんでいます。(真)


リニューアルした大田高校新聞部部室で
大田高校文芸・報道部 コラム執筆にも力

 部の統廃合により、現在文芸部門と新聞部門の二つの活動を行っています。慢性的な部員不足の中、伝統の灯を絶やさないように、文芸誌『瓶陵』と『瓶陵新聞』発行のため頑張っています。活動時期が重なるときは大変ですが、何とか締め切りギリギリで乗り切っています。『瓶陵新聞』は、学校行事の取材はもちろん、県総体の時には東奔西走して各部の写真を撮りまくります。インタビューや『千里眼』というコラム執筆にも力を入れてきました。(浩)


「学校新聞」の役割

 アピールには最高の媒体

島根県高等学校文化連盟新聞専門部 児玉 諭会長(島根県立安来高等学校校長)

島根県高等学校文化連盟新聞専門部 児玉 諭会長(島根県立安来高等学校校長)
 新聞部が発行する学校新聞は、部活動という一面の他に、学校の広報という役割も担っています。本校では学校新聞を中学校や近隣地区に配布していますが、その反響の大きさに驚いています。生徒自身で作成し、生徒の目線で、それぞれの思いを込めて作成する学校新聞は、それだけで大きなインパクトがあります。発行頻度を維持し、定期的に配布していけば、学校のアピールには最高の媒体であると思います。

 以前、新聞部が存続の危機に立った時、私は生徒会の委員会組織にしてでも新聞の発行は続けていこうと思っていました。

 現在、新聞部がない学校でも、そういった形でならとりあえず学校新聞は発行できるのではないでしょうか。そうすることで、再び新聞部の立ち上げにもつながるかもしれません。

 こういった価値のある学校新聞です。このまま衰退させることは、学校全体の衰退にもつながっていきます。

 多くの学校で学校の広報のあり方を考えていき、学校新聞を活性化させていくことが大切なのだと思います。

2016年3月22日 無断転載禁止

こども新聞