レッツ連歌(下房桃菴)・3月24日付

(挿絵・ FUMII)
◎どうしたものかこのキビ団子

お土産でもらった箱は百個入り (浜田)放ヒサユキ


◎胸になんだかバッジ付けてる

虫の穴なるほどうまく隠れてる (大田)加藤 妙鳳

ヒマワリもキクも平和を願う花 (松江)岩田 正之


◎湯舟に浮かぶヤマンバの影

この前はいつ行ったっけ美容院 (美郷)源  瞳子


◎まだ返せない借金があり

古そうな掛軸探す蔵の中    (雲南)横山 一稔


◎並んで待ったスーパーのレジ

噂(うわさ)ほどイケメンじゃないバイト生
               (松江)土江 ユミ


◎見越しの松に粋な黒塀

建売りの謳(うた)い文句が純和風
               (益田)石田 三章


◎仲よさそうな嫁と姑(しゅうとめ)

二人とも元宝塚演技派で    (出雲)吾郷 寿海


◎タネを失(な)くして焦る手品師

足元を指して子どもら大笑い  (松江)神田の 狢

三流を演じてみせる超一流   (益田)黒田ひかり


◎お茶よばれてる郵便屋さん

婆(ばあ)ちゃんに届いた便り読んであげ
               (雲南)妹尾 福子

待っててネ今すぐ返事書くからネ(飯南)塩田美代子

猫の子の飼主探し頼まれて   (松江)花井 寛子

他の孫の写真出ぬうち腰を上げ (益田)可部 章二

お前(みゃー)さんもう嫁さんはおーててね
               (松江)佐々木滋子


◎雪合戦は手加減もなく

お目当てはチームでハワイ十日間(江津)花田 美昭


◎妻がいるとき届く宅配

台無しになってしまったサプライズ
               (松江)水野貴美子


◎週一で行く移動スーパー

遠くから昼寝も起こす拡声器  (出雲)石飛 富夫


◎首をかしげている永田町

コノシマノナマエハナントヨミマスカ
               (松江)安東 和実


◎お嫁もらうと先生が言い

二品も減った下宿の夕ご飯 (出雲)はなやのおきな


◎山田の案山子(かかし)きょうは片付け

来年もよろしく頼む五郎丸   (出雲)山田 弘之


◎花嫁探しついに断念

絶世の美女を求めて七十年   (松江)半田 有行

だが待てよ古希の集いは行ってみよ
             (隠岐の島)浅垣 多世

掃除ロボ床拭きロボに介護ロボ (益田)石川アキオ

今年から連歌にハマってみようかな
               (出雲)矢田カズエ

ベッピンに変身してたわが息子 (浜田)勝田  艶


◎ひとことお祝い申し上げます

手を膝に欠伸(あくび)している一年生
               (浜田)松井 鏡子

いが餅の赤いツバキに緑の葉  (松江)石川  倫


           ◇

 「平和を願う花」、いいですね。しかも「積極的平和」!

 粋な黒塀はともかく、建売りで見越しの松まで? 売り出すまでに何十年もかかりそう。

 三流を演じるといえば、「モタモタしなからポチポチはしめる」ゼンジー北京。でも最後は、「ハイ、たまされるの、いつもお客さん」―。

 下宿というものも、ほとんどなくなりましたが、かつては、学生ばかりでなく、漱石の「坊っちゃん」みたいに、下宿をしている先生も珍しくなかったのですね。おきなさんの句、目の付けどころがよろしい。

 祝辞の最中に欠伸なんて不謹慎なことですが、新一年生ならしかたがない。それでも、手を膝に置いているというのが、健気でかわいいですね。鏡子さんの句、初句五文字が、もしたとえば「たいくつで」であったなら、大した作品ではありません。

           ◇

 次は、きょうの入選句に七七の付句です。

              (島根大学名誉教授)

2016年3月24日 無断転載禁止

こども新聞