仕事みてある記 患者の健康づくり食事を通し指導

糖尿病を中心に栄養指導で患者の健康の維持・回復に力を注ぐ乙社あかりさん=松江市母衣町、松江赤十字病院
 管理(かんり)栄養士

   乙社(おっこそ) あかりさん (松江市母衣町)



 「食事を通して病気を予防(よぼう)したり、病気と付き合っていく手伝いができれば」。松江(まつえ)赤十字病院(松江市母衣(ほろ)町)の管理(かんり)栄養士、乙社(おっこそ)あかりさん(35)は、栄養指導(しどう)を通じて患者(かんじゃ)らに寄(よ)り添(そ)い、一人一人の健康の維持(いじ)・回復(かいふく)に熱心に取り組んでいます。


 同病院の外来糖尿(とうにょう)病教室。患者やその家族ら約60人が参加しています。「嗜好(しこう)食品のお話」をテーマに、菓子(かし)やジュースなどに含(ふく)まれている糖質(とうしつ)や脂質(ししつ)、エネルギーが、角砂糖何個(かくざとうなんこ)分に当たるかなどに例(たと)えて説明。「血糖(けっとう)をコントロールするためには、糖分だけを減(へ)らせばいいのではありません。体重、血圧(けつあつ)、血清(けっせい)脂質(中性脂肪(ちゅうせいしぼう)やコレステロール)にも注目し、嗜好食品を調整することが大切」などと解説(かいせつ)しました。

 講演(こうえん)後は、患者向けの献立(こんだて)例の試食会。「海老(えび)と鮭(さけ)のオーロラ炒(いた)め」「新じゃがのマスタード焼き」などから主菜(しゅさい)、副(ふく)菜、果物(くだもの)…と計4品選び、ご飯の量を調整すると、栄養素(そ)のバランスとエネルギー量が同じになるように考えられていました。

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 高校2年生の生物授業(じゅぎょう)で、人間の体の仕組みを学んでいたころ、食物と健康がテーマのテレビ番組で、管理栄養士の仕事を知り、興味(きょうみ)を持ちました。大学の栄養学科に進み、国家試験に合格(ごうかく)。糖尿病療養(りょうよう)指導士の資格(しかく)も持っています。

 外来には、診察(しんさつ)と栄養指導が必要な患者が月間約400人来院します。糖尿病が約9割(わり)を占(し)め、腎臓(じんぞう)病、コレステロールが高い人、肥満(ひまん)とさまざま。エネルギーや塩分量、タンパク質量など、医師(いし)の指示(しじ)を具体的な食事に変えていきます。

 入院患者向けの献立は100種類を超(こ)します。患者ごとに病態(びょうたい)は違(ちが)うので、まさにオーダーメイドです。「治療(ちりょう)のための食事ですが、おいしく食べてほしい」。好みを聞き、食べやすさにも気を配ります。

 医師をはじめ、管理栄養士、看護(かんご)師、薬剤(やくざい)師ら専門(せんもん)家が集まったチーム医療の「褥瘡(じょくそう)(床(とこ)ずれ)回診」を担当(たんとう)。栄養素やエネルギー、食事量が足りているか患者から聞き取り、医師に献立を提案(ていあん)するなどしています。

 「皆(みな)さんの食生活も大事にし『これならできそう』と思ってもらえる指導が大切」「うまくいくとやる気を出してもらえます。少しでも前向きに取り組んでもらえる指導法を身に付けられるよう、頑張(がんば)っていきたいです」


★メッセージ

 コンビニなどで簡単(かんたん)に食べ物が手に入りますし、食事が多様化して、肥満(ひまん)の問題もあります。家族そろって食事をし、好き嫌(きら)いをせず、きちんと食べることを心がけてほしい。食事で健康が得られるのはうれしいこと。健康づくりや病気がよくなるようにつなげられる仕事は、楽しいです。

2016年4月6日 無断転載禁止

こども新聞