映画プロデューサーのささやかな日常(37)

映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』のポスター
 その輝きが、勇気をくれる

   自分の姿を見つめ直す


 すっかり春ですね。今年は僕の会社には、16人の新入社員が入ってきました。昨日、あいさつにやってきた彼らに、ちょっと圧倒されてしまいました。あまりに爽やかでキラキラした笑顔だったもので…。会社員生活も25年目となり、仕事に忙殺され、よどみがちな毎日を送っている自分の顔との違いに悲しくなったのかもしれません(笑)。

 さてそんな中、映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の公開が6月4日と近づいてきました。撮影は昨年の6~7月で、約1年を経ての公開ということになります。『図書館戦争』『阪急電車』などで知られるベストセラー作家、有川浩さんの恋愛小説を元に、時に甘く、時に苦い王道の恋愛映画を作りました。

 ヒロイン役を演じていただいた高畑光希さんは、現在24歳。NHK朝ドラ『ごちそうさん』での演技と劇中の歌唱力で注目を浴び、とうとう、この4月からスタートした『とと姉ちゃん』の主役の座を射止めました。『植物図鑑』撮影後に4度目の主演オーディションを受け、ついに勝ち取ったのだそうです。僕としても、いま最もその実力に注目している若手女優さんなので、本当にうれしく、活躍が楽しみです。これから半年間、毎日彼女が日本の朝を明るくしてくれることでしょう。実際の彼女も、朝ドラヒロインにぴったりな、明るく元気な、ガッツあるお人柄です。

 一方、もう一人の主演である岩田剛典さんは27歳。彼も八面六臂(ろっぴ)の大活躍中です。EXILE(エグザイル)、三代目J Soul(ソウル) Brothers(ブラザーズ)のパフォーマーとしての活動で昨年から一気にスターダムに上りつつあります。優しげで爽やかな笑顔と、時折見え隠れする「骨太な芯の強さ」が若い女性たちの心をつかんでいます。慶応大学出身でありながら、「ダンスでトップになる」という夢をかなえるため、EXILEに参加したそうです。

 公開が近づいた今、お二人には別の仕事のスケジュールを縫うようにして、映画の宣伝活動をしていただいています。宣伝とは主に、雑誌の取材やバラエティー番組の収録など。そんな取材の合間に2人と話していて感じるのは、共通して、常に真摯(しんし)に仕事と向き合っていること。そして周囲の人たち、仲間を大切に思っていることです。睡眠時間もほとんどなく、過酷な状況ですら、楽しみ、結果を出そうとしている「強さ」をひしひしと感じます。僕の何十倍も忙しい彼らを見て、その姿勢に教えられることも多いです。

 人生も仕事も、時にままならないことや、何かを犠牲にして譲らなければいけないこともある。そんな中で、2人の輝きは、明日を生きる力を与えてくれます。そういう意味では、毎年毎年、春の訪れとともにやってくる新入社員は、まぶしい輝きを思い出させてくれる存在であるような気がします。若い世代のまぶしさに照らされて、いまの自分の姿を改めて見つめ直し、背筋を伸ばしてみる、そんな季節がまためぐってきました。

 (松竹映像本部 映画プロデューサー・石塚慶生、米子市出身)

2016年4月8日 無断転載禁止