レッツ連歌(下房桃菴)・4月28日付

(挿絵・FUMI)
◎足元を指して子どもら大笑い

色も模様も違う靴下      (浜田)放ヒサユキ


◎来年もよろしく頼む五郎丸

ハハハハ鬼が笑っております (奥出雲)松田多美子


◎お土産でもらった箱は百個入り

ためしに埋めてみるサクランボ (浜田)松井 鏡子

食べ残しからヒヨコ誕生    (松江)花井 寛子


◎台無しになってしまったサプライズ

すぐ顔に出る正直な人     (江津)江藤  清

一本足りぬバラの花束     (出雲)原  陽子


◎ベッピンに変身してたわが息子

教えてもらうお化粧のコツ   (美郷)源  瞳子


◎古そうな掛軸探す蔵の中

夢のお告げがどうも気になり  (出雲)野村たまえ

ひい爺(じい)ちゃんは人が好すぎた
             (出雲)はなやのおきな

閉じ込められた昔なつかし   (雲南)妹尾 福子


◎だが待てよ古希の集いは行ってみよ

ちょっと敷居は高い会場    (松江)森  笑子


◎この前はいつ行ったっけ美容院

駅も茶店もあったころだべ   (松江)田中 堂太

髪売れるまでうんと伸ばそう  (松江)持田 高行

何度も何度も同じこと聞く   (浜田)勝田  艶

おとといだったボケの始まり  (松江)野津 重夫


◎掃除ロボ床拭きロボに介護ロボ

孝行息子はモニターの前    (益田)石田 三章

囲碁も将棋も人間は負け    (松江)森廣 典子

今に連歌も作れるという    (松江)安東 和実


◎コノシマノナマエハナントヨミマスカ

出雲雑煮に入れる岩のり    (松江)高木 酔子


◎遠くから昼寝も起こす拡声器

角曲がったら買いに出る芋   (益田)可部 章二

物干竿は間に合っている    (松江)永瀬 秋風

十八歳の選挙始まる      (雲南)板垣スエ子


◎ヒマワリもキクも平和を願う花

ちょっとうるさいウチの玄関  (益田)黒田ひかり


◎絶世の美女を求めて七十年

決め手に欠ける小町伝説    (松江)三島 啓克


◎三流を演じてみせる超一流

吉良を欺き遊ぶ大石      (益田)石川アキオ


◎手を膝に欠伸(あくび)している一年生

スマホで撮った写真が大賞   (江津)花田 美昭


◎建売りの謳(うた)い文句が純和風

トイレがネックで買い手がつかない
               (松江)佐々木滋子

おまけに富士が正面に見え   (飯南)塩田美代子


           ◇

 サクランボの種を埋めてみる、みたいなこと、私もよくやります。そうそううまくは行きませんが、夢がありますよね。

 とはいえ、ニワトリの卵を抱いてみたことは、まだ一度もありません。

 「十六島(うっぷるい)」というのは珍しい地名なので、アイヌ語だとか朝鮮語だとか、そういう俗説もあるようです。もっとも、その珍しい地名は伏せて、さりげなく名産の「岩のり」を詠み込んだあたりが、酔子さんのイキなところ。

 「三流を演じる」から「忠臣蔵」を思いついたアキオさんのアイデアは抜群!

 ただ、あえていえば、「吉良」と「大石」と、二人も名前を出す必要があったかどうか。「一力茶屋に入りびたる日々」ぐらいでもよかったのかな、と愚考いたします。…失礼!

           ◇

 ではまた、きょうの入選句を前句にして、五七五の句を付けてください。

 前句と同じような句にならないよう、それから、打越(うちこし)の句(前句の前句)の世界にも戻らないよう、ご注意ください。

  (島根大学名誉教授)

2016年4月28日 無断転載禁止

こども新聞