きらめく星 アークトゥルス(麦星)

北斗七星からたどれるアークトゥルス=4月8日、三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)
 頭上近くに堂々と輝(かがや)く

 1等星というのは、肉眼(にくがん)で見える約6000の星々のうち21個(こ)しかない、ひときわ明るい星です。その中でも、春から夏にかけて、とりわけよく見える1等星を一つ紹介(しょうかい)しましょう。

 まず北の空の高いところにある北斗七星(ほくとしちせい)を探(さが)してください。ひしゃくの形に並(なら)んだ北斗七星の、曲がった柄(え)の先に、その星があります。

 名前をアークトゥルスといい、アルクトゥルスとも呼(よ)ばれます。非常(ひじょう)に明るく、色も特徴(とくちょう)的です。オレンジ色といわれることが多いのですが、どんな色に見えるか実際(じっさい)に目で確(たし)かめてください。

 日本では、アークトゥルスは「麦星(むぎぼし)」と呼ばれてきました。ちょうど麦の刈(か)り入れのころに、高く昇(のぼ)って目立つから、そして、色が麦に似(に)ているからだといわれます。

 山陰(さんいん)の平地には、麦畑も多くあり、今ごろは金色に実った麦が見られます。みなさんにもアークトゥルスがそんな色に感じられるでしょうか。

 一方、西洋では、アークトゥルスは「熊(くま)の番人」という意味。星座としては、うしかい座(ざ)の星です。このあたりの星を結んで、よく牛飼(か)いの男性として星座の絵が描(えが)かれます。北斗七星があるのは熊の星座、おおぐま座ですから、その熊から飼っている牛を守っているというわけです。

 さらに、うしかい座は、神話に登場するアトラスの姿(すがた)だともいわれています。アトラスとは天を担(かつ)ぎ続けている巨人(きょじん)です。春の終わりから夏の初め、アークトゥルスは頭上近くに堂々と輝(かがや)きます。その様子は、まさに空を支(ささ)える巨人に例えるのがふさわしいと思います。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2016年5月4日 無断転載禁止

こども新聞