レッツ連歌(下房桃菴)・5月12日付

(挿絵・FUMI)
 一喜一憂するバカらしさ

なにげないしぐさ気になる片思い(松江)三島 啓克

片付けの進まぬわけの古手紙  (松江)河本 幹子

ガソリンの価格気になる行き帰り(松江)土江 ユミ

昨日までできたお座りお手お伏せ(松江)水野貴美子

体重はグラムで減ってキロで増え(益田)可部 章二

好きなもの食って太ってなぜ悪い(松江)中村 清子

鼻はパパ口はママ似で生まれた子(松江)岩田 正之

お隣の子はひらがながぜんぶ書け(雲南)錦織 博子

神童もハタチ過ぎればただの人 (浜田)山崎 重子

人生て不思議なものとひばりさん(雲南)妹尾 福子

一年生ちゃんと一人で帰れます
             (隠岐の島)浅垣 多世

つぶやいた後のコメント見るスマホ
               (浜田)放ヒサユキ

つぶやいていいねの数を競い合い
            (沖縄・石垣)多胡 克己

何回も六甲おろし歌いたい   (松江)森  笑子

何度火がつけば治まる焼けぼっくい
               (江津)岡本美津子

遊びだと言い聞かせてる木曜日 (松江)田中 堂太

ときどきは選者の側に回りたい (出雲)原  陽子

あの話なかったことにしておくれ(松江)川津  蛙

あのカレはやめたと娘すまし顔 (松江)花井 寛子

イノシシの残りをあさる竹林  (益田)石田 三章

日銀の景気対策効果なく    (大田)山形 俊樹

タレントの結婚離婚不倫沙汰  (出雲)吾郷 寿海

黒塗りの資料出さんがよかったか(出雲)矢田カズエ

本番がよければいいサたかが模試(松江)相見 哲雄

正座して母のめり込むメロドラマ(松江)野津 重夫

持ちきれぬほど福袋買い込んで (飯南)塩田美代子

前世はスズメであったかもしれぬ(出雲)山下  好

コンピュータ制御されてるパチンコ台
               (松江)石川  倫

なおらいは勝ち負け問わぬ運動会(出雲)原  愼二

桜散りなんだかほっと見る若葉 (美郷)源  瞳子

育休を取って不倫を疑われ   (松江)安東 和実

運勢を新聞テレビ見比べて   (浜田)松井 鏡子

箸茶碗持ってテレビの前に立ち
           (広島・北広島)堀田 卓爾

義理チョコにすがる思いのご両親(浜田)勝田  艶

トランプのハートが読めぬ予備選挙
               (江津)井原 芳政

配役で犯人分かるサスペンス  (江津)花田 美昭

ジャンケンでセンター決めるAKB
               (益田)石川アキオ

満天の星を見ながら飲むビール (益田)黒田ひかり


           ◇

 堂太さん、陽子さん、ごめんなさい。…考えてみれば、私が謝ることもないのですが。

 なぜスズメなのか、好さんの句、よく分かりません。が、なんとなく納得できるから不思議です。

 「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」は、『古今集』の業平(なりひら)の歌。花の季節は、風が吹く、雨が降る、などといってはヤキモキしなけりゃなりません。そんな気持ちを連歌で詠めばこうなる、というお手本を、瞳子さんはみごとにお示しくださいました。なんでもないようで、なかなかの名句だと思います。

 「トランプのハート」は、子どもの遊びかと思ったら、そうじゃなかった…。これもうまい表現です。

 ただ、こういう時事句は、二、三年もたつと意味が分からなくなりますので、今のうちに皆さんご自身で「注」を付けておいてください。

           ◇

 次は、

  後悔先に立たぬ初恋

に、五七五の句を付けてください。

              (島根大学名誉教授)

2016年5月12日 無断転載禁止

こども新聞