きらめく星 アンタレスと火星、土星

アンタレスと火星、土星=4月30日午前2時半ごろ、出雲(いずも)市大社(たいしゃ)町で撮影(さつえい)
 小三角形の変化を見て

 さそり座(ざ)といえば、夏を代表する星座です。S字形とか釣(つ)り針(ばり)の形といわれる星の並(なら)びは、よく目に付きます。そのさそり座で一番明るい星がアンタレスです。

 アンタレスの意味は「火星(かせい)の敵(てき)」。赤い色や明るく輝(かがや)く様子が火星に似(に)ていることからそう呼(よ)ばれるようになりました。そして、今年はまさに火星と争っています。火星がアンタレスのすぐそばで輝いているのです。今のところ明るさは火星が勝(まさ)っているようですが、赤さはどうでしょうか。見比(くら)べてみてください。

 さらに、アンタレスと火星の近くに、もう一つ明るい星が見えています。もし望遠鏡(ぼうえんきょう)でこの星を見れば、立派(りっぱ)な環(わ)があるのがわかるでしょう。そう、土星(どせい)です。二つの星のように赤くはありませんが、明るさを競うように輝いています。

 火星、土星、アンタレスを線で結ぶと、小さな三角形を作ることができます。この三角形は今年だけに見られる特別な形です。珍(めずら)しい眺(なが)めですので、ぜひ見てみましょう。

 「今年だけ」と言ったのは、火星や土星などの惑星(わくせい)は、ゆっくりと星座の中を動いてゆき、やがてとなりの星座へと移(うつ)るからです。今はたまたま火星と土星がさそり座に見えているのです。

 惑星ごとに動く速さは違(ちが)いますので、日が経(た)つと三角形の形が変わります。4月30日に撮(と)ったこの写真と今日5月18日ごろの三角形を比べただけでも、形が変わっているのがわかるはずです。さらに観察を続け、変化を見ればおもしろいと思います。

 この三角形は、今夜だと午後10時には南東の空に見え、来月はもっと早い時刻(じこく)に見えるようになります。夏休みには日暮(ひぐ)れ後、暗くなればすぐ南の空に見られます。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2016年5月18日 無断転載禁止

こども新聞