論語(ろんご)で温故知新(おんこちしん)(41)


【訳(やく)】

 世の中で、人の道が正しく行われているような時には、表に出て大いに活躍(かつやく)する。しかし、不正やインチキが行われている時には、一緒(いっしょ)になって手を貸(か)さない。


「人の道」しっかり学び実践(じっせん)しよう

 東日本大震災(だいしんさい)の時、被災(ひさい)した地域(ちいき)の人たちの立派(りっぱ)な行動が世界中の注目を浴びました。また、海外のサッカー会場でニッポンのサポーターたちが、ゴミの後片付(あとかたづ)けをしている様子(ようす)が世界中に放送されました。あらためて、「人の道」を考えさせられました。


 ◆人の道◆

 「天下」とは一つの国全体のことを意味します。孔子(こうし)の時代には中国という国はなく、当時は大きい国や小さい国がたくさん散らばっていました。

 論語(ろんご)における「道」とは、道理のことです。分かりやすくいえば、人の行うべき正しい考えや、行いをさしています。

 昔も今も「人の道」に変わりはありません。昔の人は「道」について、たくさんの知恵(ちえ)や教えを残してくれました。孔子は先人の知恵を信じて、しっかり学びなさいといっています。そして、学んだことを実践(じっせん)しなさいといいます。知っているだけでは学んだことになりません。


 ◆避(さ)ける◆

 外国で生活したことのある人たちが、「安全と平和はあたりまえでない」とよく言われます。世界中には理由もなく殺し合いや奪(うば)い合いがなされたり、いつも不安や恐怖(きょうふ)にさらされている人たちがいます。「天下道無(な)し」とは、まさにこのことです。

 孔子が生きた時代にも、人の道から外れたことをして、偉(えら)くなろうとした人物がいました。当然、孔子にも誘(さそ)いがありました。しかし、孔子の態度(たいど)は「隠(かく)る」でした。「拒否(きょひ)」ではなく、「避(さ)ける」ということです。

 「人の道」がないところでは、ムダな争いを避けたのだと思います。しかし、まともな人の前であったならはっきりと、自分の考えを述(の)べたと思います。

 「人の道」がある国に生まれ育った皆(みな)さんは、世の中へ出て、大いに活躍して欲(ほ)しいですね。

  (私塾(しじゅく)「尚風館(しょうふうかん)」講師(こうし)・小倉雅介(おぐらまさすけ))

2016年5月25日 無断転載禁止

こども新聞