アキのKEIルポ2016 “最も勝負強い男”証明

勝敗分かつポイント取る

 もはや錦織圭ファンにはおなじみのデータだろう。“最終セットの勝率ナンバーワン”。彼は今もキャリア通算0・778の勝率で、N・ジョコビッチらを抑えて“最も勝負強い男”の勲章を胸に光らせている。

 3回戦のF・ベルダスコ戦でも、錦織は2セット先取から追い上げられながらも、フルセットで突き放して勝利。またも最終セットの勝利欄に、数字を一つ加えてみせた。

 2年ほど前、錦織はこの数字の理由を問われた時、「負けず嫌いに尽きると思います」と答えている。それは今も変わらないだろう。だが世界の6位に達した現在では、別の要因も加わってきている。

 「上位選手は最終セットに入った時に落ち着きがあるし、余力も残している。こういう試合を勝つことがトップに行くには必要」。

 卵が先か鶏が先か…ではないが、つまりは勝負強い選手こそが上位にいるのであり、上位である事実がやがては、緊迫の場面で相手にプレッシャーをかけていく。

 この試合、実は総獲得ポイント数では、錦織は相手より3ポイント少なかった。展開的には劣勢。それでも勝敗を分かつポイントを取ったからこそ、彼は4回戦へと進む。相手より少ない3ポイントは、最終セット最高勝率と表裏である。

 (フリーライター・内田暁)

2016年5月29日 無断転載禁止

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