全仏テニス特派員便り “荒れる”大会

シートがかぶせられ、雨に打たれるコート。今年は荒れている=パリ
錦織表情頼もしく

 開幕前夜から断続的に降った雨、初日の試合中断。スタートから天候に振り回され、荒れた大会だ。と思っていたら、第7日も突然の雷雨で中断。パリ中心部で落雷による負傷者まで出た。

 思えば、空模様だけではない。開幕3日前、四大大会最多17度の優勝を誇るロジャー・フェデラーが、腰痛で欠場すると発表。今季の好調ぶりから「復活」とも見られたラファエル・ナダルも、けがで3回戦を棄権した。

 A・マリー(英国)は1、2回戦でフルセットの薄氷を踏みつつ、勝利を手にした。「ビッグ4」の中の3人でさえこんな状態。「順当」という言葉が似合わない大会だ。

 ベスト16。切り立つ山の頂は、まだ見えるか、見えないかの高さかもしれないが、既にかなり険しい。そこに、昨年に続き第5シードの錦織圭選手が当たり前のように立っている。

 安堵(あんど)、疲労、自負…。錦織選手の試合後の記者会見で、表情にはさまざまな色が浮かぶ。根底に流れる自信ものぞく。そこからあふれるトップ選手の風格が昨年に増して感じられ、荒れる大会で何とも頼もしい。

2016年5月30日 無断転載禁止

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