全仏テニス特派員便り 雨の日あれば晴れの日も

大勢のテニスファンでにぎわうローランギャロスの一角にあるテラス。雨の日があれば、晴れの日もある=パリ
落胆を笑顔に変えて

 朝起きたら雨という毎日だった。全仏オープンは開幕日の錦織圭選手の初戦からたびたび中断し2年連続8強入りを逃した翌日、全日程中止となった。史上2度目という。

 「水入り」-。邪魔をされたという意味で、そう思ったが、調べると「相撲で勝負が長引いたとき、しばらく休ませて力水をつける」などの意。試合後の会見で落胆しきった錦織選手の顔が浮かんだ。思いがけない第1週の敗退だが、英気を養う時間になるといい。

 大会中、晴れ間もあった。ローランギャロスの一角にある日の当たるテラスは訪れた人たちがペットボトル入りの水やコーヒー、シャンパンを手にし、サンドイッチをほおばりながら、大型ビジョンで観戦していた。時間がゆったり流れていた。選手の気迫と熱気の漂うコートとは別世界だ。

 ふと思い返した。次のウィンブルドン選手権に向けて会見で錦織選手は「いい結果を出すのみ」と前を向いた。必死にそうしていた。ではこちらも下を向いてばかりいられない。空を見上げると、澄んだ空気で胸が膨らんだ。

  =おわり=

2016年6月2日 無断転載禁止

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