山陰インド協会総会 会員2社が事例報告

 インドと山陰両県の経済、文化交流の拡大を目指す山陰インド協会(会長・山根常正山陰中央新報社会長、182企業・個人)の総会が5月25日、松江市千鳥町のホテル一畑であった。政府開発援助(ODA)を活用してインドでの事業展開を目指す総合リサイクル業の三光(株)(境港市昭和町)と総合建設業の松江土建(株)(松江市学園南2丁目)の会員2社が、取り組み事例を報告した。2016年度の事業計画も決めた。(6月7日号)

インドでの取り組みを発表する三光の三輪陽通社長=松江市千鳥町、ホテル一畑
 事例報告で三光の三輪陽通社長は、中海・宍道湖・大山圏域市長会が交流協定を結んでいるインド南部ケララ州の最大都市・コチ市に、生ごみや汚泥などの有機物を微生物の力で分解、堆肥化するプラントの導入を検討していることの経緯を紹介した。

 14年11月、コチ市のごみの最終処分場を三輪社長が視察し、急速な都市化に処理能力が追いつかず、廃プラスチックが無造作に山積みとなった様子などを目の当たりにしたのがきっかけとなった。15年6月、ODAを活用した国際協力機構(JICA)支援事業の採択を受けた。

 インドは食料自給率が高い半面、農業に化学肥料を多用するため土地が痩せており、三光のプラントでの堆肥化はインドの土壌改良や農業振興にもつながると分析。現地のマスコミにも大々的に取り上げられるなど注目を集めるが、プラントは1基2千万~3千万円に上り、「現地でいかに安くプラントを生産できるか、ビジネスパートナーを見つけることが必要だ」と今後の展望を語った。

インドでの取り組みを発表する松江土建の川上裕治社長=松江市千鳥町、ホテル一畑
 一方、松江土建の川上裕治社長は、ダム湖や湖沼の貧酸素状態を解消する水環境保全システム導入の検証に取り組んでいることを説明した。山陰インド協会の発足に合わせて13年に島根県を訪れた駐日インド大使から「貧酸素のため水質が悪化した湖沼などで需要が見込める」と助言を受けたのが発端となったという。

 インドでは下水処理が進まず、著しい富栄養化による湖沼の水質汚染が深刻化。保全対策として藻を食べる魚の養殖や放流なども行われているが、十分に改善していない。

 円筒形の装置を貧酸素状態となったダムや沼の底に沈め、高濃度酸素水を送り込むことでリンや窒素などの発生を抑える松江土建の技術は15年3月、ODAを活用したJICAの調査事業に採択され、約1年にわたってインド北部のウッタラカンド州と西部のラジャスタン州の湖で貧酸素の実態などを調べた。

 16年9月、JICAの普及・実証事業に再応募する予定といい、「インドの水事情の改善に弊社の技術が貢献し、インドと山陰の交流が進む一助になればいい」と語った。

 総会ではこのほか、ケララ州で17年2月に開かれる同州主催の産業技術展への企業の出展支援や、4年連続となる経済視察団の派遣など16年度事業計画を決めた。視察団の訪問先は、インドの首都ニューデリーとケララ州の州都トリヴァンドラム、コチの計3市を候補とした。総会には会員約70人が出席した。

全文は「山陰経済ウイークリー」誌に掲載。

2016年6月7日 無断転載禁止