(77)オペラハウス「大森座」(大田)

大森町の文化拠点となっているオペラハウス「大森座」
地域に音楽広める拠点

 世界遺産・石見銀山遺跡の中心にある大田市大森町で、音楽の拠点となっているのが、オペラハウス「大森座」。旧大森郵便局の建物を改修して造られた施設で、各種コンサートや欧州の第一線で活躍する奏者が指導する講座などで活用されている。

 同町の義肢・装具メーカー、中村ブレイス(中村俊郎社長)が、大正から昭和にかけて使われた郵便局をオペラハウスとして再生しようと改修整備した。瓦ぶき木造2階建て、外観は白い格子のガラス窓枠が目を引く。延べ床面積は約150平方メートルで、2階部分にも観覧スペースがあり、約100人を収容できる。

 名称は、かつて同町にあった芝居小屋「大森座」にちなみ、2014年12月にこけら落としとなるオペラ公演が開かれた。

 今年5月までに12回のイベントで利用され、市内の団体の発表の場にもなっている。15年には、フランス在住のフルート奏者らから大学生たちが指導を受ける約1週間の講座を実施。最後にコンサートを開き、住民らに成果を披露した。

 また、国内外で活動する大田市出身のテノール歌手、田中公道さん(79)は4月、傘寿を記念したリサイタルの会場として利用した。約100人を前に「荒城の月」やオペラ「『蝶々夫人』から『愛の家よ、さようなら』」など15曲を熱唱した田中さんは「とても歌いやすかった」と大森座での公演を振り返った。

 大森の町並みに復活した大森座は、音楽の魅力を地域に広げている。

2016年6月8日 無断転載禁止