(78)笹倉八幡宮の絵馬(益田)

笹倉八幡宮に伝わる絵馬。弘化3年の絵馬(中央)は川中島の戦いが題材とされる
 謙信信玄一騎打ち図も

 益田市美都町笹倉、笹倉八幡宮の神楽殿に入ると、四面に縦60~80センチ、横120~140センチの立派な絵馬が飾られている。

 中でも、江戸時代末期の弘化3(1846)年と書かれた絵馬は、川中島の戦いでの上杉謙信と武田信玄の一騎打ちを描いたとされ、馬に乗った謙信の刀を、床几(しょうぎ)に腰掛けた信玄が軍配で防いでいる迫力の絵柄だ。

 謙信・信玄一騎打ち図など14面は、「地域的にこれほどまとまった絵馬奉納は他になく貴重」として、2004年に旧美都町の文化財に指定され、現在は市指定文化財となっている。

 絵馬は、神仏に祈願や報賽(ほうさい)(お礼参り)のために奉納する、馬の絵を描いた額や板絵。笹倉八幡宮の絵馬の絵柄には、本来の馬はなく、「宇治川先陣図」「那須与一図」といった武者図や合戦図のほか、伊勢参りの様子を描いた「二見浦図」などがある。

 僧位に準じて仏師や絵師に与えられた称号「法橋(ほっきょう)」に叙せられた津和野藩の御用絵師・岡野家3代洞山美高の作を表す「法橋洞山」の署名や、「下波田」「仙道」といった地名、地元の祈願者の名前が記された絵馬もある。

 神楽殿には洞山筆の天井絵も奉納されており、東仙道地区振興センター(益田市美都町仙道)の野村達也センター長(59)は「昔から崇敬を集めてきたのだろう」と往時に思いをはせる。

 笹倉八幡宮は、国道191号を益田市内から広島方面に進み、県道益田澄川線を真砂方面に入り、グラウンドゴルフ場「ひだまりパークみと」の管理棟を過ぎたすぐ左側に鎮座する。

 八幡宮は地域住民が管理しており、拝観希望の連絡先は同センター、電話0856(52)2540。

2016年6月23日 無断転載禁止