きらめく星 土星の環

 傾きが大きく観察しやすい

 この夏、土星(どせい)が見ごろになっています。

 夜のはじめごろ、南の空に、赤っぽくてたいへん明るい星が見えます。太陽の周りを回る惑星(わくせい)の一つ、火星(かせい)です。その左を見ると、火星よりやや暗い星が輝(かがや)いています。やはり惑星で、こちらが土星です。近くには、さそり座(ざ)のアンタレスという星も見えていますが、土星の方がアンタレスより明るいので、見間違(みまちが)えることはないでしょう。

 双眼鏡(そうがんきょう)があったら、土星に向けてみてください。米粒(つぶ)のように細長い形に見えるかもしれません。土星には環(わ)が付いているからです。もし望遠鏡(ぼうえんきょう)があれば、その環をはっきり捉(とら)えることができます。

 土星の環の見え方は、年によって違(ちが)います。2009年には、環は細い線に見え、土星がまるで線の付いた「ド」の音符(おんぶ)のような形でした。これは土星を真横から見ていたためです。

 そこから地球に対して土星が傾(かたむ)き、環がよく見えるようになってきました。今年から来年にかけては、最も傾きが大きくなり、その後は、また傾きが小さくなって、2024年ごろには音符の形に戻(もど)ります。ですから、この約15年間の変化の中では、今が最も土星の環を観察しやすいのです。

 環をよく見ると、内側と外側に分かれています。外側の環をA環(かん)、内側をB環といいます。実は、暗くてほとんど見えませんが、A環の外側とB環の内側にもさらにいくつかの環があります。A環とB環の間には溝(みぞ)のようなものが見られ、カッシーニのすき間と呼(よ)ばれています。

 夏は、三瓶(さんべ)自然館サヒメルなどの公開天文台をはじめ、さまざまな場所で天体観察会が開催(かいさい)されると思います。もちろん土星も望遠鏡で見られるでしょう。この機会に、土星の環をカッシーニのすき間までしっかりと観察してはいかがでしょうか。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

土星の環の見え方の変化=国立天文台提供(ていきょう)
土星=6月17日、三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)

2016年6月29日 無断転載禁止

こども新聞