アキのKEIルポ キャリア節目の対戦

 重要な意味を持つ勝利

 ジュリアン・ベネトーというと、4年前の全豪OP3回戦での対戦時の印象が強い。

 この時の錦織は26位で、対するベネトーは39位。ランキング的には錦織が上だが、実績や経験では相手がはるかに上回る。その厳しい試合を4-6、7-6、7-6、6-3の僅差で勝ち切った錦織は、4回戦でも世界6位のツォンガを破りグランドスラム初のベスト8。試合前も大会後も、父親の清志さんが「ベネトー戦が鍵」と言っていたのが、強く記憶に焼き付いている。

 もう一つベネトーといって思い出されるのが、2014年9月のマレーシア・オープン決勝戦。全米で衝撃的な準優勝を果たした直後の、多大なプレッシャーの中で挑んだ一戦だった。

 そしてこの時も錦織は競り勝ち、翌週のジャパン・オープン優勝につなげてもいる。総合力の高いフランスのベテランは、錦織のキャリアの節目に姿を表す選手である。

 今大会でもベネトーは、錦織のウィンブルドンセンターコート初勝利の相手となった。それは同時に、昨年リタイアした2回戦の関門を突破したことも意味している。この勝利は後に重要な意味を持つのでは?

 試合中に徐々に調子を上げていくセンターコートの錦織を見ながら、そんなことを、ふと思った。

2016年7月2日 無断転載禁止