ウィンブルドン特派員便り 聖地で感じる独特の重圧

スポーツバーでサッカー欧州選手権を観戦する客。試合が進むにつれて熱気が高まった=ロンドン
 夜、喫茶店代わりにスポーツバーに入った。ロンドンや近郊在住の島根県人会の人たちと入った店内で、視線の先のテレビは4年に一度のビッグイベント、フランスで行われているサッカーの欧州選手権(ユーロ)が映し出されていた。

 地元イングランドが勝ち残っていたら熱気はこんなものではなかっただろうが、イギリスを構成する国の一つ、ウェールズの躍進もありなお関心は高いようだ。その夜、PK戦までもつれたドイツとイタリアの一戦も、最後はあふれた人で店の前の歩道が埋まる盛況ぶりだった。

 サッカーの母国で、テニスの聖地。ともに世界中で人気のスポーツには変わりがないが、肌で感じる重みが日本とはちょっと違うように思う。テレビの向こうのプレーに送られる声援や叱咤(しった)は老若男女さまざま。それぞれ違っていいと皆が思っているのが分かる。

 3年前、1936年のフレッド・ペリー以来77年ぶりのウィンブルドン制覇を果たした、地元のA・マリーが背負った重圧は日本でテレビで見ていても伝わってきた。誰もを納得させるのは結果しかない。

 スポーツ文化の根付く街で、歴史に名を刻む戦いはもとより容易ではない。そういう中で錦織圭選手は戦い続けている。

2016年7月5日 無断転載禁止

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