紙上講演 元NHK解説副委員長 山本 浩氏

元NHK解説副委員長 山本 浩氏
リオ経由トーキョー~オリンピックの今

 日本らしい大会に期待

 山陰中央新報社の島根政経懇話会、米子境港政経クラブの定例会が4、5の両日、松江、米子両市内であり、元NHK解説副委員長の山本浩氏(63)=松江市出身=が「リオ経由トーキョー~オリンピックの今」と題して講演した。2020年東京五輪が、商業主義に偏らず、ファンや選手という「人」中心の「日本らしい」大会になるよう海外の事例を挙げて期待を語った。要旨は次の通り。

 間もなくリオデジャネイロ五輪。東京五輪のエンブレムも決まり、20年へのスタートが切られた。ここから何が変わるか。本番で戦う相手の情報を仕入れようと海外の情報がこれまで以上に入ってくるし、海外へも出ていく。その過程で日本と世界との違い、日本らしさを感じることになるだろう。

 日本には日本の歴史があって価値観がある。地理や食、気候など日本流の五輪として記憶に残ってほしい。「人」を大事にして、「人」をベースにした発想で行われる五輪となるよう期待したい。

 参考例として、オーストリアの人口1万1千人の田舎町で、陸上の混成競技の国際大会がある。競技場は通常9レーンあるが、ここは6レーンと小さい。これを逆手に取った。

 トラックの外周は芝生になっており、家族連れがテントを持ち込み一日中、声援を送っている。ファンは選手が近くで見られる。大きな競技場と違い、選手と同じ目線で、手拍子や歓声が届きやすく、一体感が生まれやすい。

 ファンが何を求めているかを考えている。小さな村での大会で五輪とは少し違うかもしれないが、示唆に富んでいる。日本には「おもてなし」という言葉がある。この言葉を大切にすれば、日本らしい大会になるのではないか。

2016年7月6日 無断転載禁止