(7)益田市二条地区(中) 新事業への挑戦

竹を地域資源として有効活用する新事業について意見を交わす品川勝典会長(右)や「なりわい部会」の豊田繁雄部会長(左)ら役員たち
 竹害逆手に活性化図る

 「はびこる竹を活用し、チップにして土壌改良材として商品化するだけでなく、子どもの農村交流や定住促進にもつなげたい」。

 益田市桂平町の二条地区振興センターで21日夜に開かれた「二条里づくりの会」の役員会。特産品販売などで「外貨獲得」を目指す「なりわい部会」の豊田繁雄部会長(68)が役員ら9人を前に、2016年度から取り組む新事業の概要を熱心に説明した。

 竹チップを生ごみの堆肥化などに使う事例は聞いたことがあるが、竹製の小屋作りプロジェクトといった子どもを対象にした田舎体験プランや、チップ化作業を雇用に結びつける定住対策など竹を切り口にした多角的な事業展開に面白みを感じ、耳を傾けた。

  ◇  ◇  ◇

 同会の活動のキャッチフレーズは「里山をいかし、人と自然がつながる二条」。一方で、景観の悪化や鳥獣被害の拡大につながる竹害は足元の里山で広がり、喫緊の課題に挙がっている。確かに、道路脇の山林に目をやると、生い茂る竹やぶが目につく。

 対策に本腰を入れようと、同会は15年秋、竹チップ活用の先進地視察や粉砕機稼働のデモンストレーションを実施。16年度には、1台150万円近くかかる粉砕機の導入なども見据え、農林水産省の補助事業の採択を目指して事業計画を策定中だ。

 計画案には、竹チップを使った土壌改良材や堆肥の商品化をはじめ、栽培した農産物のブランド化やタケノコのメニュー開発、伐採やチップ化作業での雇用確保など幅広い項目を盛り込んだ。

 定住や交流促進を担う「ひと部会」と、鳥獣害対策などを受け持つ「くらし部会」も合わせた全3部会が一体的に取り組む一大事業。豊田部会長は「厄介者を活用する逆転の発想で、地域活性化を図りたい」と誓う。

  ◇  ◇  ◇

 益田市が住民主体の地域づくりを進める地域自治組織の第1号として、15年6月に認定を受けた同会。「なりわい部会」は、エゴマ茶や新米、餅など地元産品を詰め合わせたお中元やお歳暮セットの販売を手掛け、「くらし部会」は、高齢者らが市街地に買い物に出掛けるバスツアーを実施するなど各部会が課題に応じて事業に当たっている。

 3部会を束ねる品川勝典会長(75)の活動のモットーは「里山を守り、生かすことが、古里の元気を取り戻すことにつながる」。役員会の議論をとりまとめた表情から、新事業に挑む固い信念が垣間見えた。

2016年4月28日 無断転載禁止