女子ログ 私の「読聴観」

 好奇心旺盛だった子供時代、水泳、体操、合唱、ピアノなどの習い事をしていた。どれもできるようになった程度のものだった。中学では吹奏楽、高校では剣道を部活に選び、何とか3年間やってはみたが、決して趣味や特技となることはなかった。でも、何事も経験。やってみたから分かったこと、達成できたことの意味は大きい。

 いろいろな経験を物にすることができなかった私だが、大人になって大切にしているのが「読」と「聴」と「観」だ。読は絵本中心。生きていくのに必要なことはほとんど絵本から学んでいる。今はエドワード・ゴーリーの世界に魅了されているところだ。聴は音楽。私の音楽の始まりは矢野顕子さん。人生の節目にはいつも彼女の音楽があった。16年前、事務所に「島根でコンサートをしてほしい」と切々とつづった手紙を送ったら、半年ほど後に世界遺産登録前の静かな大田市大森町でのコンサートが実現した。夢が叶(かな)うとはまさにこのことだった。

 そして観は映画。のめり込んだのは子育て真っ最中の20代後半。今思えば育児ノイローゼ寸前だったのかもしれない。時間を見つけては見た。見終わると何だか晴れやかなすがすがしい気分になった。今も年間50本以上は見る。自慢できる特技も趣味もないが、この「読聴観」があれば楽しく生きていけそうだ。

(浜田市・風田凪子)

2016年7月12日 無断転載禁止