(79)丸山城跡(川本)

県史跡に指定された丸山城跡(川本町教育委員会提供)
 広場の壁全て石垣構造

 4月に県史跡指定された川本町三原地区にある丸山城跡。標高482メートルの山頂にあり、北東には穀倉地帯の三原盆地が広がる。遠くには三瓶山を望むこともできる。

 城は1583年、石東地域に勢力を誇った石見小笠原氏の第15代長旌(ながはた)が築城を始め、85年に完成させた。戦国末期の城に見られる防御目的の堀切や土塁がないため、居館的な性格が強い城だったとされる。主君である毛利氏から91年、出雲神西への配置替えを命じられるまでの間、政治を行う「山上の居館」としての役割を果たした。

 築城は山を削平し、本丸(3383平方メートル)や西の丸(2477平方メートル)があった場所を含めて大小12の広場を配した。広場の壁が全て、石垣によって造られているのが特徴。石垣の構造は、毛利元就の次男、吉川元春の館跡(広島県北広島町)に酷似しており、吉川氏との親密な関係性がうかがえるとされている。

 川本町では2015年3月、石見小笠原氏ゆかりの関係者が集い、全国小笠原サミットが開催された。町商工会が12年度から取り組んできた、石見小笠原氏研究が出発点で、歴史資源を生かした地域振興の機運が少しずつ高まっている。

 丸山城跡についても、県史跡指定を契機とした活用が期待されており、町教育委員会教育課の湯浅晃誠課長は「小笠原氏関連の調査を引き続き行い、丸山城跡の歴史的な価値をさらに高めていきたい」としている。

2016年7月14日 無断転載禁止