論語(ろんご)で温故知新(おんこちしん)(45)


【訳(やく)】

 自分に高い能力(のうりょく)があっても、広く意見を聞く。自分より知識(ちしき)が少ない人からも意見を聞く。つまり、自分を偉(えら)そうにひけらかすのではなく、いろいろな人の意見をたくさん聞くことだよ。


広く意見を聞くことが大切だよ


 昔から賢(かしこ)い人物は「能ある鷹(たか)は爪(つめ)を隠(かく)す」といわれています。実力や知識が付くにしたがって、さらに深く求めたくなるものです。


 ◆伸(の)びようとする心◆

 オリンピックで金メダルに輝(かがや)く選手がいます。世界一という彼(かれ)ら彼女(かのじょ)らには、必ず「我(わ)が師(し)」とする人がいます。「我が師」とはコーチであったりライバルであったりします。

 しかし、「我が師」が必ずしもメダルをとった人ではありません。それなのになぜ、本気になって指導(しどう)を受ける気になるのでしょう?

 「教えてください」という態度(たいど)は向上心(こうじょうしん)(もっと成長したいという気持ち)につながります。強い向上心を持っている人は誰(だれ)からでも学ぼうとします。ここが、一流の人になるか、ならないかの分かれ道です。

 ところで、人の弱いところ(欠点や弱点)しか見えないのはどうでしょう。「教えてください」という気持ちになれません。これは、すでに自分の成長が止まったのかもしれません。さらにいけないのは、自分の停滞(ていたい)(成長が止まること)に気が付いていないことです。


 ◆素直(すなお)な心◆

 偉人(いじん)伝に出てくる人物にほとんど共通していることがあります。それは、気持ちがまっすぐだということです。とくに、人の話が素直に聞けるということは、きっと将来(しょうらい)につながる大きな素質(そしつ)なのです。

 ちょっとおだてられて、うぬぼれてしまったり、人をうらやむ心は、誰でも持っている悲しい性質(せいしつ)です。しかし、どこかでそれに気付かせてくれる人が、必ずいるものです。向上心があれば、素直に受け入れるでしょう。

 案外(あんがい)、近くにいる「めんどくさい人」がその人かもしれませんよ。

  (私塾(しじゅく)「尚風館(しょうふうかん)」講師(こうし)・小倉雅介(おぐらまさすけ))

2016年7月20日 無断転載禁止

こども新聞