輝(き)らりキッズ 伝統の地「神楽部」けん引

八岐大蛇の衣装(いしょう)に着替(きが)え、役柄(やくがら)になりきろうとする高田風吹さん=雲南市大東町南村、海潮中学校
熱い気持ちで大蛇(おろち)舞(ま)う

 雲南(うんなん)・大東(だいとう)の海潮(うしお)中3年

   部長 高田 風吹(たかたふぶき)さん


  雲南(うんなん)市大東(だいとう)町南村(みなみむら)の海潮(うしお)中学校には全国的に珍(めずら)しい「神楽(かぐら)部」という部活動があります。県内には海潮中学校にしかありません。その神楽部に所属(しょぞく)し、一生懸命稽古(けんめいけいこ)する部員をまとめるのが、3年生で部長の高田風吹(たかたふぶき)さん(14)です。

 海潮は神楽の保存(ほぞん)伝承(でんしょう)に力を入れている地域(ちいき)で、同校の神楽部は、校区の4神楽社中(しゃちゅう)(和野(わの)、本郷(ほんごう)、薦沢(こもざわ)、小河内(おがわうち))の指導(しどう)のもと、1982年に「神楽クラブ」として発足。91年に正式な部活動になり海潮地区の神楽を伝えてきました。町内の催(もよお)し事や同校の文化祭などで「陰陽(いんよう)」と「簸之川大蛇退治(ひのかわおろちたいじ)」という演目(えんもく)を披露(ひろう)しており、町内や市内の幼稚園(ようちえん)や介護施設(かいごしせつ)などでも公演を行っています。

 高田さんは4歳(さい)年上のお兄さんの影響(えいきょう)で中学1年生で神楽を始め、2年生のとき、お兄さんも演じていた八岐大蛇(やまたのおろち)の役に挑戦(ちょうせん)しました。「最初は兄がやっていたからという理由だけだったけど、やっていくうちに大蛇そのものの魅力(みりょく)に取りつかれた」と話しています。

神楽社中の人たちから指導を受けて稽古に励(はげ)む神楽部員=雲南市大東町南村、海潮中学校
 八岐大蛇は人間ではない役柄(やくがら)なため、人間離(ばな)れした動きの表現(ひょうげん)が要求されるといいます。高田さんは、そこが魅力であり難(むずか)しさであると感じており、「お酒が好きだということと、スサノオに勝ちたいという闘争(とうそう)心や荒々(あらあら)しさなど、大蛇に思いを寄(よ)せながら演じる」と心掛(が)けているそうです。

 現在神楽部では、13人が所属しており、4社中の指導者のうち5、6人が同校を訪(おとず)れ毎週月曜日の夜に稽古しています。高田さんが演じる八岐大蛇を指導する、本郷社中の高島幹雄(たかしまみきお)さん(67)=同町山王寺(さんのうじ)=は高田さんの八岐大蛇の舞(まい)を見て「歯切れの良さ、思い切りの良さがすばらしい。特に登場シーンで、大蛇の強さと恐(おそ)ろしさを観客に強烈(きょうれつ)に印象づけるところがうまい」と技術(ぎじゅつ)力を高く評価(ひょうか)しています。

 小河内社中の新田和徳(にったかずのり)さん(69)=同町小河内=も「指導されたことをすぐに自分のものにしようと熱心に稽古に打ち込(こ)む素直(すなお)な子で、神楽に対する熱意がよく伝わってくる」と話しています。

 神楽への熱意だけでなく、緊張(きんちょう)している部員に声を掛けるなど部長として強い責任(せきにん)感を持つ面も見せています。

 高田さんは「神楽部をもっとPRして、より遠くの、より大きな公演の依頼(いらい)が来るようにしたい」と意気込んでおり、「そのためにも部員一人一人が日々の稽古を大切にして、本番で美しく舞うことができるように技術に磨(みが)きを掛けたい」と力を込めました。


≪プロフィル≫

【好きな食べ物】ラーメン

【好きな教科】社会

【好きなスポーツ】卓球

【好きな音楽】洋楽

【将来(しょうらい)の夢(ゆめ)】教員

2016年7月20日 無断転載禁止

こども新聞