女子ログ 私のまちの宝物

 東京に遊びに行ったとき、ショックを受けたことがある。通学中の子どもと目が合ったので「おはようございます」と声をかけたら、気まずそうに無言で目をそらされたのだ。思わず一緒にいた友人に「私って怖い?」と真顔で聞いたら、「都会では、知らない人にはあいさつをしてはいけません、と教わるんだよ」とのこと。二重にショックだった。

 私の住む益田市では、通学路で子どもに出会うと「おはようございます」「帰りました」などと、元気なあいさつが聞こえてくる。知らない大人に元気なあいさつができる、そんな当たり前のことが、地域によっては当たり前ではなくなってきているのだ。

 これまで益田の良いところを聞かれたら、「水や空気がきれい」「海も山もあって、食べ物がおいしい」「山陰だけど、晴れの日が多くて、過ごしやすい」などと答えてきた。今後はそれに「子どもが知らない大人に元気なあいさつができるまちです」と付け加えようと思う。それはつまり、人が親切で明るい安全な町と言える。

 市の将来を考えると、経済の発展や人口増加も大切な課題だ。だけど、そのために失ってはいけないものがあると思う。子どもたちの元気なあいさつは、全国に向けて胸を張って誇れる、私のまちの宝物だ。

  (益田市・わんほり)

2016年7月23日 無断転載禁止