レッツ連歌(下房桃菴)・7月28日付

(挿絵・FUMI)
◎この子ときたらまたマネをして

近所中夫婦げんかが知れ渡り  (松江)植田 延裕


◎職務質問される父さん

禁漁と知らずに潜る美保関   (京都)永井 英美

どうしても入れてくれぬと泣きついて
               (出雲)野村たまえ


◎歩く姿はちょっと残念

履きなれた靴がよかった旅の空 (雲南)板垣スエ子


◎披露宴には録画流れて

全裸だがボカシは入れた生まれたて
               (江津)岡本美津子


◎可も不可もなく一日は暮れ

新所帯三月もすればそんなもの (松江)三島 啓克

晩酌は豆腐一丁あればいい   (出雲)栗田  枝

回顧録書く気にゃなれぬ前都知事(松江)野津 重夫


◎やめてほしいなオレのウワサは

身から出たサビなら仕方ないじゃない
               (出雲)行長 好友


◎試食の品はぜんぶ平らげ

きょうもまた境港に船が着き  (松江)水野貴美子


◎遠目で見れば茶畑の華

ニッコリとカメラ目線で手は止まり
               (出雲)石飛 富夫


◎これで完璧アリバイ工作

人形の目がカメラとは気がつかず(松江)森廣 典子


◎逆光だけどスマホ取り出し

宍道湖に沈む夕陽の美しさ   (松江)花井 寛子


◎スマホの操作試すついでに

出会い系もうやめないやおジイちゃん
               (松江)半田 有行


◎相も変わらぬ狭い料簡(りょうけん)

筍(たけのこ)が生えてきたのはウチの庭
               (益田)吉川 洋子

三人で割れぬ二円はどうするの (出雲)矢田カズエ

姑(しゅうとめ)はきょうも朝から貝になり
               (浜田)勝田  艶

イチローの記録認めぬ大リーグ (益田)石川アキオ


◎思い込みほど怖いものなし

前世ではクレオパトラと呼ばれてた
               (松江)土江 ユミ

フタ開けて離脱と決まり泡を吹き(松江)佐々木滋子


◎狙っています次の駅長

ニコニコとトイレ掃除も買って出る
             (出雲)はなやのおきな


◎会話ロボにも恋が芽生えて

年上も年下もないおおらかさ  (益田)石田 三章

そのうちに二世誕生なんてこと (松江)持田 高行


◎不適切だが違法ではない

レッツの句年賀ハガキで出してます
               (松江)山崎まるむ

給料はいらぬと言った退職金  (出雲)吾郷 寿海

流行語大賞みごと獲得し    (松江)加茂 京子


           ◇

 職務質問なんかされたら、ふつうはドギマギするハズだけど、これ幸いとしがみつく人もいるのでしょうか。シドロモドロになるお巡りさん?

 赤ん坊にボカシは、かえっておかしいと思うけれども、その不自然さが呼ぶ大爆笑? これは最高の披露宴になりそう。

 「宍道湖に沈む夕陽」―、こりゃあ、どうしても逆光になるわけで…。このバカバカしさ! いいですね。

 使い残しの年賀ハガキで、ほんとうにまるむさんが投句されてきたわけではありません。かもめ~るでした、去年の。その上、「まだあります」とわざわざ添え書き。負けました!

 流行語大賞は、ほんとにこれでキマリじゃないでしょうか。自由自在にことばを操る天賦の才能―。レッツの大ベテランも、あの第三者氏には及びますまい。

          ◇

 次は、きょうの入選句に七七の付句です。

              (島根大学名誉教授)

2016年7月28日 無断転載禁止

こども新聞