(17)川本町三原地区(下) 魅力発信

閉校した三原小学校の歴史を伝える看板を製作する三原探検隊の市原房美代代表(左)とメンバーたち
 住民主体の活動定着を

 川本町三原地区の人口は519人で、5年間で14%も減った。高齢化率もこの間に50%を超えるなど、地域の活力を取り戻し、維持することが大きな課題となっている。

 こうした現状に、地区の魅力を広く伝え、人口増や若者定住につなげようと活動しているのが、三原連合自治会内の町おこし組織「石州三原の郷(さと)プロジェクト」の部会として設立された「三原探検隊」だ。

 市原房美代(ふみよ)代表(69)らメンバー7人が最初に取り掛かったのが、地区内の史跡や風景を楽しむ二つのウオーキングコースの設定とマップの作製。2015年12月には、設定コースを歩く独自のウオーキングイベントを開いた。町が移住希望者を対象に実施した暮らし体験ツアーの参加者も加わり、地元住民と触れ合う機会にもなった。

 山菜採りと食事会などの企画も温めており、市原代表は「三原の魅力を知ってもらい、U・Iターン者を呼び込むきっかけをつくりたい」と意気込む。

 一方で、地元住民向けに取り組んでいるのが、閉校した三原小学校の歴史を紹介する看板づくり。活動拠点としている同町南佐木の川本北公民館が11月、近くの同小跡地に移転するのに合わせて掲示する予定だ。メンバーが毎月2、3回、同公民館に集まり、135年の歩みを伝える年表を丁寧に書き込んでいる。

 「子どもからお年寄りまで、看板を見て古里への愛着を深めてほしい」と市原代表は願う。

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 同プロジェクトでは、地区内の歴史や文化を調べ、発信する役割を担う「三原をもっと知ろう会」(佐々木都支枝会長)も活動している。メンバー4人が、地元ゆかりの戦国武将・小笠原氏の関連史跡や三原八幡宮に伝わる大元神楽、残したい郷土料理などをテーマに選び、記録や調査研究を進めている。

 県が、12年度に策定した中山間地域活性化計画に基づき、重点支援地区に指定したのがきっかけとなって発足した同プロジェクト。県と連携した町が、夢プラン応援事業交付金で取り組みを支えるが、期間は14年度から3年間で、今年が最終年度となる。

 同プロジェクトの市原和正会長(68)は「四つの部会が、各分野で活発に活動しており、地区の元気につながっている」と手応えを感じている一方、17年度以降の活動継続に向け、資金の確保や住民参加の促進を課題に挙げる。

 住民主体で芽生えた町づくりの動きをどう根付かせていくのか。官民の知恵と工夫が求められる。

2016年7月30日 無断転載禁止