女子ログ 忍者

 先日夫婦でドライブしていたら、米国人の夫が突如「ニンジャ!」と叫んだ。視線の先を見ると、この暑い中、長袖とロングスカート、スカーフで顔を覆い、ツバの大きな帽子をかぶった女性が日傘を片手に自転車をこいでいる。

 温暖なカリフォルニア出身の夫は日本に来たばかりの時、このような日本の夏の装いに心底驚いたようだった。彼にとって夏は太陽を楽しむ季節。ところが多くの日本人女性は紫外線から身を守るのに必死で、夏を楽しんでいないように見えるという。突如出くわす日焼け対策万全女子は彼には不気味に見えるらしく、いつしかそんな人を「忍者」と呼ぶようになった。

 日焼けは美容の大敵なのよ、と説明すると夫は「美しさのためにやっていることが美しくない」と一言。それを聞いてふと、美しさって何だろうと思った。私も若い頃はダイエットやスキンケアに気を配った。でも最近は、スリムだから、色白だから、若く見えるから美しいというのは違う気がしている。美しさとは、きっとその人の「心の余裕」からにじみ出るものなのかも。40代手前の私はそう思う。

 鏡に映る自分の顔にぼんやりした影を見つけ、忍者になって対策しておくべきだったと思う日もある。でも、大切なのは心の余裕。今年の夏も思いっきり太陽を楽しみたい。

 (雲南市出身、丸亀市在住・ゆかりんご)

2016年8月2日 無断転載禁止