(80)竹本正男氏ゆかりの品(浜田)

竹本正男氏がローマ五輪で使用したプロテクター(手前)、シューズ(右奥)と、同五輪男子団体の金メダル
体操の神様偉大な足跡

 1960年のローマ五輪体操競技で日本男子団体初の金メダルを獲得したほか、数々の世界大会で活躍し、「体操の神様」と称された浜田市出身の竹本正男氏(1919~2007年)。浜田市には、竹本氏がローマ五輪で使用したプロテクターとシューズ、獲得した金メダルなどが所蔵されている。

 開催中の中国総体(インターハイ)で体操競技会場になっている同市黒川町の県立体育館では、大会最終日の5日まで、ローマ五輪の品々とともに竹本氏のブレザーやトレーニングウエアなど約50点を特別展示している。普段は市役所内の金庫に保管されている金メダルも並び、偉大な足跡を伝えている。

 身長160センチと小柄だった竹本氏。優れた運動神経とたゆまぬ努力で世界の頂点に上り詰め、日本体操界の礎を築いた。

 プロテクターやシューズには、生地が擦り切れたり、シミがついたりした所があり、激戦の跡が刻まれている。

 浜田高校女子体操部顧問の竹谷聖可教諭(36)によると、現代の体操は器具が発達し、それをうまく力に変換する能力が求められるが、当時は、選手自身の筋力やテクニックが占める比重がより大きかった。負荷がかかることを前提に作られた現代のプロテクターに比べ、竹本氏のものは簡素なつくり。竹谷教諭は「体がとても強く、筋力も相当あっただろう」と話す。

 また、当時の会場は板張りが多かったことから、けが防止などのためにシューズを履いて競技していたという。

 同市は、ランニングシャツやタイツなども所蔵。竹本氏の生前に品物を譲り受けて、同市に寄贈した元県体操協会常任理事の樋野俊晴さん(77)=松江市雑賀町=は「当時使われた用具を見ることで、日本体操の進化に目を向けてもらいたい」と話す。

2016年8月4日 無断転載禁止