女子ログ 平和ぼけ

 先日、スイスで生活している友人から日本に一時帰国したときの話を聞いた。美容室はやっぱり日本がいいとか、梅干しをいっぱい買って帰ったなど、お土産話で盛り上がった。

 でも、一番強く印象に残ったのは「警戒しながら街を歩かなくていい」ことだったそうだ。世界各地で起こるテロへの不安、時に感じるアジア人への差別感情など、危機感を抱きながら海外で生活する彼女から見て「(日本は)ボケるくらい平和だったよー」という。

 19歳以上なら銃の保持を権利として認められている米国に暮らす私だが、幸い、自分の耳で銃声を聞いたことはまだない。しかし日常の中で、今、周りで誰か発砲するかもしれない、と頭をよぎることがある。

 時々、否定的な意味で「日本人は平和ボケしている」という人がいるが、私は最高の褒め言葉のように思う。日本でも悲しい事件や災害が起きることはあるが、日々の生活で常に周囲を警戒しながら歩くということはあまりない。毎日毎日、誰かが銃で撃たれて亡くなったというニュースを見続けるより、「日本でもついにポケモンGO(ゴー)が配信!」といったニュースが一つでもある方がよほどうれしい。

 この先もずっと、ボケそうになるほど平和と言われる日本であってほしい。

 (松江市出身、米国フェニックス在住・サボテン)

2016年8月6日 無断転載禁止