全米テニス特派員便り ピーク合わせ準備万端

新設のグランドスタンドスタジアムで行われた練習で汗を流す錦織圭選手(手前)。準備は、万端だ=27日、ニューヨーク
 晩夏のニューヨーク。きつい日差しにサングラスをかけた。4度目の四大大会取材で、初めての全米オープンだ。左脇腹痛で棄権したウィンブルドンから1カ月半。リオデジャネイロ五輪の銅メダリスト、錦織圭選手はどんな輝きを見せてくれるだろう。

 27日の最初の練習会場は、23コートで3番目の8千人収容のグランドスタンドスタジアム。今年できたばかりで真新しい施設は、入った瞬間、青空と一体となったような開放感があり、選手との距離も近く感じられた。

 錦織選手が青空へトスを上げたボールは力強いサーブとなって相手コートへ突き刺さった。見ていても脇腹が気になった初夏のロンドンとは違う、気迫があった。

 この日は土曜日の「キッズデー」。日本人の家族連れも多い。観客席で、幼い英語で男の子から「あれは誰?」と声を掛けられた。「ケイ・ニシコリ」と答え、スペルも口頭で教えた。2年前の快進撃は、まだ見てなかったかな。

 日本人96年ぶりのメダリストとなった五輪後、ここにピークを持ってきたという錦織選手は準備万端。記憶に刻まれる大会となり男の子が誇らしげに「ニシコリ」を語る姿を思い、頬が緩んだ。

2016年8月29日 無断転載禁止