論語(ろんご)で温故知新(おんこちしん)(52)完


【訳(やく)】

 先生(孔子(こうし))が言われた。人が自分の能力(のうりょく)を知ってくれないからといって、不平や不満を言わないことだ。それより、むしろ自分が人のすばらしいところに気づいていないことを反省しなさい。



人のすばらしいところに気づいて


 自分のことは案外、分かっているつもりで、実は分かっていないものです。自分が思っている以上のこともあれば、以下のこともあります。

 ◆心の気まぐれ◆

 人の良いところと悪いところは半々だといわれます。しかし、悪いところは目立ちます。良いところは目立ちません。だから、良いところは見過(みす)ごされることが多いのでしょう。

 人は人を好き嫌(きら)いで見ることが多いものです。人を好きになったら全部良く見えていたのに、嫌いになったら全部悪く見える。心の気まぐれには困(こま)ったものですね。

 ◆人を知る◆

 自分でも自分がよく分からないのに、それでも良く見せようとする自分がいませんか? しかし、人はちがう見方をしていることがよくあります。

 「人の己(おのれ)を知らざる」とは自分が知ってもらいたい「いいところ」ではなく、自分が知らない自分を知られているということです。

 「人を知る」とは、実は難(むずか)しいことです。なぜなら、その人の一部分を見て決めつけていることが多いからです。

 たとえば、言葉づかいや、行為(こうい)だけでその人を決めつけていることがありませんか? あるいは、テストの点数だけで人の能力を高いか低いか、決めつけていませんか?

 人を知るには、時間がかかります。長い間には、おどろいたり、がっかりしたり、感動したりするドラマができるのでしょう。

 正しく「人を知る」ということは、広いものの見方を知り、自分を知ることにもつながります。

 さて、論語(ろんご)シリーズも今回で最終回となりました。2年間ではありましたが、少しでも論語のおもしろさや深さにふれてもらえたらうれしく思います。2年間ありがとうございました。

 (私塾(しじゅく)「尚風館(しょうふうかん)」講師(こうし)・小倉雅介(おぐらまさすけ))

     =おわり=

2016年10月26日 無断転載禁止

こども新聞