女子ログ なくてはならぬ

 ご近所の薬局の大きな窓。ある日、各種製品のポスターやポップの中に異彩を放つ張り紙を見つけ、目がくぎ付けになった。

 太字の楷書で丁寧に手書きされた「ならぬものはならぬ十訓」。

 1「忘れてはならぬもの『感謝』」、2「言ってはならぬもの『愚痴』」、3「曲げてはならぬもの『つむじ』」、4「起こしてはならぬもの『短気』」、5「叩(たた)いてはならぬもの『人の頭』」、6「失ってはならぬもの『信用』」、7「笑ってはならぬもの『人の落ち度』」、8「持ってはならぬもの『ねたみ』」、9「捨ててはならぬもの『義理人情』」、10「乗ってはならぬもの『口車』」

 窓の前に立ったまま、自らを省みる。できていないことが少なくない。私が特に心がけねばならないのが1の「感謝」と4の「短気」だ。気が短く、相手の状況や気持ち、物事の先行きをよく考えず、独りよがりの考えに陥ることがある。そんなときは自分を支えてくれている周囲の人への感謝も忘れているのだろう。感謝していてもその気持ちを伝えきれていないこともある。そんな自分に気付いて落ち込むこともある。

 なにゆえ薬局に? 店主の真意を確かめてはいないが、精神を律することができれば健康を保つことができるということか。薬局の前を通るたび、背筋がシャンとなる。

   (松江市・ネコむら)

2016年9月3日 無断転載禁止