全米テニス特派員便り 老若男女、豪快スマッシュ

老若男女、誰でもテニスができる「ファンコート」。インドアで、暑さも雨も忘れる=ニューヨーク
 錦織圭選手の2回戦は雨の洗礼を受けたが、今年から屋根付きとなったセンターコートのアーサー・アッシュ以外で、ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターにはもう一つ、天候と無縁のコートがある。

 と言っても、プロの選手の試合や練習は行われない、屋内施設の「ファン エクスペリエンス」。中はクーラーが効き、大型スクリーンで試合が見られる、快適な休憩所だ。

 壁の向こうで打球音が聞こえてきた。奥には「ファンコート」と呼ばれるハードコートが1面。4、5歳児や白髪のマダムら、まさに老若男女がラケットを手にしていた。

 スタッフのボールを打ち返すスタイルで、目の覚める強打もあれば、豪快な空振りも。順番待ちの列を見ると、人種もさまざま。大会パスを持つ裏方たちの姿もある。

 ニューヨークでこの時期よくあるという突然の降雨、まだ強く照る太陽は、立ち向かっていくには強敵だが、もしかしたら「ひと息入れて」と言ってくれているのかも。

 ラケットを握って分かるプロ選手のすごさもあるだろう。すっきり汗を流し、養われる英気も。実際の試合会場で日増しに高まる熱気の源は、案外こんなところにあるのだろう。

2016年9月4日 無断転載禁止