きらめく星 月のウサギ

中秋の名月=2015年9月27日午後6時ごろ、三瓶自然館サヒメルで撮影(さつえい)
15日の「中秋(ちゅうしゅう)の名月(めいげつ)」を見よう

 月にはウサギがいるという物語があります。実際(じっさい)に住んでいるわけではありませんが、月の模様(もよう)がウサギの形に見えることから、そう伝えられてきました。

 月の表面は、白くて明るい部分と暗い部分に分かれていて、暗い部分を海といいます。名前は海でも水のまったくない平地で、溶岩(ようがん)が冷えて固まった黒っぽい岩石によって覆(おお)われています。

 この黒っぽい海の部分が模様に見えるのです。カニ、ライオン、女の人の横顔など、世界中でいろいろなものになぞらえられてきました。

 そして中国や日本では、ウサギに見立てられました。ここから月にウサギがいると考えられたようです。例えば、こんな話を知っていますか。

 おなかをすかせた老人を救うため、一匹(ぴき)のウサギが自分を食べさせようと、たき火に飛び込んで身を焼きました。その老人の正体は帝釈天(たいしゃくてん)という神で、帝釈天はウサギの行いをたたえ、後(のち)の世に伝えるためにウサギを月に昇(のぼ)らせました。

 これは平安時代の終わりごろにできた「今昔(こんじゃく)物語集」に、インドから伝わった昔話として載(の)っています。ですから、よほど古い時代から、人々は月の模様をウサギとして見ていたのでしょう。

 もうすぐお月見です。ぜひ自分の目で、月の中に長い耳を持つウサギを見つけてください。肉眼(にくがん)で十分見えますし、双眼鏡(そうがんきょう)を使うとさらにわかりやすいでしょう。月の模様は、見る時間によって向きが変わります。ウサギの形に見やすいのは、月が東から昇ってきたころです。

 今年の「中秋(ちゅうしゅう)の名月(めいげつ)」は9月15日です。その日の月の出は、松江(まつえ)で午後5時18分ですので、山陰(さんいん)では、東に低い山があるような所でも、6時ごろには月が見ごろになっているはずです。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2016年9月7日 無断転載禁止

こども新聞