レッツ連歌(下房桃菴)・9月22日付

(挿絵・FUMI)
◎明るいうちは外を歩けぬ

クーラーの効いたわが家でアイス舐(な)め

                  (松江)植田 延裕

朝夕はチョコチョコとやる畑仕事   (美郷)源  瞳子

カリスマにきついパーマを当てられて

                  (松江)高木 酔子

一二枚盗んだ小判投げて行き     (松江)森廣 典子

◎私のことなのですか先生

老けたナは同窓会の禁句にて     (益田)石田 三章

◎小豆島産醤油(しょうゆ)にこだわり

創業は明治五年のせんべい屋     (益田)石川アキオ

◎保育園児は揃(そろ)っておひるね

短冊のおねがい叶(かな)う夢を見て (雲南)妹尾 福子

つかの間の保母さんたちのティータイム

                  (松江)田中 堂太

◎馴染(なじ)みの店は臨時休業

今日こそと心に決めたプロポーズ   (浜田)放ヒサユキ

大将のかわいい孫の披露宴      (浜田)三隅  彰

◎開けっ放しの夏の夜の窓

宿題の昆虫採集はかどって      (松江)庄司  豊

川の字に寝て絵本読む蚊帳の内    (松江)岩田 正之

◎はずした入れ歯どこに置いたか

このままじゃシャネルのスーツ着こなせぬ

                  (出雲)野村たまえ

じいさんがどうも合わぬと四苦八苦

                  (出雲)原  陽子

大丈夫GPSを付けてます      (美郷)芦矢 敦子

獅子舞のオモチャと遊ぶ孫二人    (飯南)塩田美代子

それがそのポチが盗んで噛(か)み砕き(川本)高砂瀬喜美

◎オバちゃんみんな妻に味方し

町内で生花教室五十年        (江津)花田 美昭

◎浴衣姿で街にくりだし

青い眼(め)も黒い瞳もリラックス  (出雲)鬼村 吉郎

留守番のはずの女房にバッタリと   (益田)吉川 洋子

◎豪華寝台瑞風(みずかぜ)が行く

金持ちのほうばかり向くJR     (出雲)吾郷 寿海

◎通りすぎてくベルトコンベア

名産の二十世紀の集荷場       (雲南)板垣スエ子

行く先は大中小の段ボール      (益田)竹内 良子

好物の締めの大トロ人が食い     (松江)土江 ユミ

ネジ一つ残ったけれどまッいいか   (松江)山崎まるむ

半日でやめさせられたアルバイト   (松江)加茂 京子

◎相田みつをに心いやされ

おばあちゃん席替るよと言えたボク

                  (出雲)はなやのおきな



 アキオさんのせんべい屋―、どうせフィクションだから、創業は「明治四年」でも「五年」でも、いつでもいいようなものの、かといって、「三年」や「六年」ではゴロが悪い。ウソをつくにも上手下手はあります。

 失くなった入れ歯―、オモチャの獅子頭(ししがしら)なら、なるほど、ぴったりの大きさかもしれません。総金歯なら、なおよいのですが…。

 なに、犬が噛み砕いた? こうなったら、万(ばん)止むを得ん。その犬の歯を抜いてあの人に入れるんじゃ。

 洋子さんの句、登場人物は、夫と妻と2人だけかと思ったら、実は3人だったのですね。…いや、4人かな?

 寿海さんの句はまったく同感。三江線はなんとかならないものでしょうか。



 次は、きょうの入選句を前句にして、七七の付句。

 第4木曜日、鬼村吉郎さんはいつも、打越(うちこし)の句(前句の前句)から初めて、前句、付句と、3句並べて書いてこられます。その必要はないのですが、いいお心がけと、つねづね感心いたしております。

 付句の内容が打越に戻らないよう、くれぐれもご注意ください。

(島根大学名誉教授)

2016年9月22日 無断転載禁止

こども新聞