論語(ろんご)で温故知新(おんこちしん)(50)


【訳(やく)】

 先生(孔子(こうし))が言われた。遠い将来(しょうらい)のことまで考えないで判断(はんだん)したり、行動を起こせば、必ず近いうちに、心配事が待っているものだよ。


遠い先のことまで見通す大切さ


 「失敗」のほとんどは、考えの甘(あま)さが原因(げんいん)でしょう。だから、本を読んだり、人の話を聞いて「学ぶ」ことが大事なのです。


 ◆遠慮(えんりょ)◆

 「考えの甘さ」とは短慮(たんりょ)あるいは浅知恵(あさぢえ)ともいいます。一方で「遠慮」という言葉があります。論語(ろんご)では、遠い先のことまで見通すことをいうのです。

 たとえば、相手とゲームをする時のことを考えてみます。先の先まで考えることができる人はゲームに強い人でしょう。先に起こりうる、いろいろな場合を想像(そうぞう)して、いちばん有利な手を打つでしょう。これができなかったら、ゲームに勝てません。これはスポーツでも同じことです。力さえあれば良いというものではありません。


 ◆危険予知(きけんよち)◆

 小さい子どもがボールを追っかけています。夢中(むちゅう)になっているのでボールのことしか見えていません。いつの間にか道路に出てしまいました。すると、横からとつぜん自動車が来ました。車は急に止まれません。これは一つの例です。学校で行われる交通安全教室などは「危険予知」という、先に起こる危険を予想し、身を守る勉強なのです。


 ◆準備(じゅんび)◆

 「やりたいこと」「しなければならないこと」があるとします。

 たとえば、登山です。一つまちがえば命に関(かか)わります。思いつきで動けば、後で予想もしなかった困難(こんなん)に出合うものです。だから、計画を立てて、準備をします。細かい計画は、よい準備につながります。登山経験(けいけん)をたくさん持っている人には、計画と準備の大切さが身にしみてよくわかります。だから山登りはよく人生に例えられます。

 孔子は論語の中で、無茶(むちゃ)な行動をする人とは、いっしょに行動しないと言っています。その気持ちはよく分かりますね。

  (私塾(しじゅく)「尚風館(しょうふうかん)」講師(こうし)・小倉雅介(おぐらまさすけ))

2016年9月28日 無断転載禁止

こども新聞