(23)津和野町青原地区(下) 自主防災

防災訓練に向け、自主防災会の役員と打ち合わせる三浦英治会長(左)。近隣自治会との防災協定締結も目指している
 共助の輪拡大を目指す

 「できれば、住民全員が参加するようにしたらどうか」「要援護者の避難に誰が付き添うか決めておいた方がいい」

 津和野町青原の青原公民館で9月25日にあった青原共同会の会合。自主防災組織・青原地区自主防災会の役員も兼ねる出席者から、町と連携して地区内で開く10月30日の防災訓練に向け、活発に意見が出た。

 両組織で会長を務める三浦英治さん(58)が、2013年7月の記録的な豪雨災害を振り返りながら、「訓練を機に、住民の防災意識を高めよう」と呼び掛け、出席者12人が課題を共有した。

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 青原地区自主防災会は10年4月、町内初の自主防災組織として発足した。05年9月の台風で被災した際、消防団が土砂崩落の防止や排水作業などで手を取られ、避難した住民に十分対応できなかったことを教訓に、「万一の時には、住民自らが役目を果たそう」と立ち上がった。

 「総務」「情報」「避難誘導」「救護」の4班に計約40人が所属し、平時と災害時のそれぞれで、役割を分担している。助成事業を活用して防災備品をそろえたほか、防災士を招いた講演会や図上防災訓練などを積極的に企画。地区内の寺と災害時の協力協定を結び、避難先を確保するなど有事の備えも進めている。

 13年7月の豪雨災害時には、同公民館に開設した避難所を運営。駆け込んだ9世帯13人に対し、救護班が炊き出しで昼食を提供するなどして支えた。三浦さんは「行政や消防団の負担を、少しは軽くできたのではないか」と自負する。

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 青原地区自主防災会の活動を受け、町内でも少しずつ、組織化の動きが出始めている。近接する小瀬自治会もその一つ。15年4月に設立し、青原を参考に4班体制を整えた。同年8月の大雨時には2世帯が集会所に避難。自主防災組織の会員が早速、支援に奔走した。「住民の意識は確実に向上している」と、大庭照夫会長(72)は手応えを感じている。

 一方、三浦さんが次に目指しているのは、近隣地区同士での防災協定の締結。自治体間で結ぶ協定の地域版をイメージし、有事の人的、物的支援で協力し合いたい考えだ。近隣8自治会で広域的に地域づくりを担う「青原地域まちづくり委員会」でもまとめ役を務め、「17年度末までの任期中に、自治会単位を越えた助け合いの仕組みを整えたい」と力を込める。自主防災のトップランナーが果たす役割は、ますます大きい。

2016年10月1日 無断転載禁止