女子ログ 閉店間際

 仕事を終えて何か食べようと、夜8時すぎに友人と出かけた。思った店に行くとラストオーダーは9時で9時半閉店とある。間に合った。他にもう一人、ほぼ同時に入店されたので心強い。年の近そうな女性だ。同じような境遇かな、とちらりと思う。

 トンカツを食べる気満々だったのだが、オーダーすると「もう油の火を落としたので揚げ物はできない」と言われた。仕方なく他のものを注文する。食事中にはけたたましく掃除をする音が聞こえてきた。おひとり様の彼女はさっさと食事を済ませ帰った。われわれ2人はいよいよ最後の客だ。話したいこともほどほどに、電気を消す音にせかされる。食事が終わらぬうちにアフターのコーヒーを出され、飲み干したところで蛍の光。閉店時間いっぱい居座ったところでお会計した。閉店間際に入店したのだから仕方ないが、やっぱり居心地が悪い。何だか世間での40代独身の居心地の悪さそのものみたいだ。

 そういえば、前にも同じ友人と他の店で閉店前の最後の客になったことがあった。会計を終えて車に乗って驚いた。厨房(ちゅうぼう)からホールまでスタッフ全員が駐車場に出て整列し、深々と頭を下げて見送ってくれたのだ。恐縮至極だったが気分は良くなった。独身40代の居心地の悪さにも、それを吹き飛ばすような、あんなサプライズが起きないかしら。

     (松江市・流流)

2016年10月6日 無断転載禁止