女子ログ 愛車との別れ

 このほど、10年連れ添った愛車とお別れすることになった。あと4~5年は頑張ってもらうつもりだったが、何十万台に1台というエンジンの不具合が見つかったのだ。

 それから約1カ月半、次の車が見つかるまで毎日、愛車に話しかけた。10年間、ほぼ毎日休まずに自分を乗せてくれた日々のことを語りかけるうち、30代という一番激動だった時期を一緒に過ごしたことに気づいた。

 夫と出会い、付き合ってから、新車で購入した。ケンカして落ち込んだり、生理前でイライラするたび、1人でふらっとドライブに出かけた。一緒に泣いたり、笑ったり。恐らく、誰よりも一番、私のいろいろなことを知っている。

 その後、結婚し、出産。妊娠して初めての病院も、臨月までの日々も、生まれた息子を病院に迎えに行ったのもその車だった。そして、息子の成長をともに見てきた。

 知人に「物にも魂が宿る」と教わった。その話を聞いてから、愛車が余計に愛(いと)おしくなった。一番近くで私のことを見守ってくれていたんだと思うと、ウルッと来た。

 別れの日。寂しくて泣いちゃうかもなあと思ったが、新しく来た、家族が増えることを見越して7人乗りにした最新車の性能に興奮し、案外あっさりした別れになった。それでも、ありがとう。忘れないよ。

 (出雲市・キャリ・フミ)

2016年10月7日 無断転載禁止