女子ログ 音の記憶

 「あっ、この音」。日常、ふと耳にした音とともに、懐かしい記憶がよみがえることがある。

 萩市にいた小学生の時、スポーツ少年団でサッカーをやっていた。今では女子でサッカーをしているのはそう珍しくないだろうが、40代後半の私の同世代にこのことを言うと大概珍しがられる。しかし山口県内では私が子どもの頃から大抵の小学校に男女のサッカー部があり、大会も盛んに行われていた。

 小学5年生の時に市内の別の小学校に転校し、ひょんなことからサッカーをすることになり、私はスポーツの楽しさに目覚めた。初めて履いたサッカーシューズはいつもの運動靴と違い、硬い靴裏に突起がたくさんついていた。その靴でコンクリートの上を歩くと、コツッコツッという音がした。その音をとても誇らしく感じていた。つい最近、あの靴音に似た音が耳に飛び込んできて、瞬時に小学生時代を思い出した。懐かしかった。

 中学校では長身を生かせると思い、バスケットボール部に入った。バッシュを履いて体育館を走るときのキュッキュッという音を耳にすると、今でもキューンとなって、瞬く間に中学時代のさまざまな記憶がわき上がる。

 誰にも思い出と結びつく音があるのではないか。無意識に刻まれた音の記憶。これからは、どんな音の記憶が刻まれていくのだろう。

    (益田市・シマ)

2016年10月19日 無断転載禁止