女子ログ ロケットに乗って

 1歳の娘を寝かしつけ、遅い夕食をとっていると、科学技術好きの夫が、人工知能について熱っぽく語り始めた。根っから文系の私が「SF(サイエンスフィクション)の話みたい」と言うと夫は、「僕たちの親がスマホでいつでも世界とつながれる未来を想像できなかったみたいに、僕らの子どもは僕らが想像できない世界を生きることになるよ」と目を輝かせた。

 夫の話を聞きながら、読書好きだった学生の頃、台所で洋書を読んでいたら、父が後ろからそっと近づいてきて「そんなわけのわからん文字が読めるかね」と言ったのを思い出した。その言い方が悲しげだったのが気に入らなくて無視したが、今なら父の気持ちがわかる。父は自分の娘が外国語を話したり、海外に出たりするような未来を想像できなかったのだろう。きっと未知の世界にどんどん足を踏み入れていく娘を寂しく眺めていたのだ。

 想像もできない未来か…。娘の寝顔をのぞき込むと、今にもロケットに乗って遠くに行ってしまうような気がした。未来が発展するほど、娘と私が直面する世代間ギャップは広がる。こうして娘とぴったり一緒にいられるのも今だけかもしれない。娘との時間を大切に過ごそう。それからもう一つ、次に父がスマホの使い方を聞いてきた時は、もうちょっと優しく対応しよう。

 (雲南市出身、丸亀市在住・ゆかりんご)

2016年10月21日 無断転載禁止