レッツ連歌(下房桃菴)・10月27日付

(挿絵・Azu)
◎宿題の昆虫採集はかどって

腰が痛いとパパは欠勤     (松江)花井 寛子

ゴミ屋敷まで徒歩で三分    (松江)高木 酔子

◎半日でやめさせられたアルバイト

三分おきにスマホシャカシャカ (益田)竹内 良子

バレていたんだあのつまみ食い (松江)原  野苺

子離れできぬうちの母さん   (松江)植田 延裕

◎老けたナは同窓会の禁句にて

会うのが恐い初恋の人     (出雲)山下  好

◎それがそのポチが盗んで噛(か)み砕き

物言わぬものに着せる濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)  (出雲)原  陽子

◎短冊のおねがい叶う夢を見て

朝一番に見る枕元       (松江)持田 高行

嵐のライブついに当選     (出雲)野村たまえ

やってきたのはティラノザウルス(大田)山形 俊樹

◎クーラーの効いたわが家でアイス舐め

秋を待たずに増える体重    (浜田)山崎 重子

◎留守番のはずの女房にバッタリと

寝返り打った丁稚(でっち)の告げ口   (浜田)勝田  艶

練習重ねる謝罪会見      (米子)佐々木浩子

二度目ともなりゃ慣れたもんです(出雲)矢田カズエ

◎朝夕はチョコチョコとやる畑仕事

無理をせぬのが百歳の知恵   (益田)石田 三章

筋トレよりも効果ありそう   (松江)河本 幹子

みごと優勝ミニトマトの部   (松江)山崎まるむ

◎創業は明治五年のせんべい屋

割ればっかりを通ぶって買う  (松江)森  笑子

◎じいさんがどうも合わぬと四苦八苦

孫のパズルもバカにならない  (美郷)源  瞳子

後ろ前だと言っていいかな   (松江)加茂 京子

合方の三味二代目となり    (雲南)錦織 博子

最近レッツ連歌に凝りだし   (出雲)飯塚猫の子

◎おばあちゃん席替るよと言えたボク

弟生まれ兄ちゃんになり    (松江)佐々木滋子

隣の紳士寝てるフリする    (松江)三島 啓克

◎獅子舞のオモチャと遊ぶ孫二人

神楽受け継ぐ村の五代目    (松江)野津 重夫

◎名産の二十世紀の集荷場

幟(のぼり)かかげて隊列を組み     (江津)花田 美昭

           ◇

 「親を悩ます自由研究」という名句を、この前ご紹介しましたが、今回の寛子さんの句も、また親泣かせ―。それを「腰が痛い」と表現した手法がおみごと!

 逆に、子供泣かせの親もおります。息子がいっしょうけんめいバイトしている職場に乗り込んで…、なに、乗り込むばかりか手まで出す? 困った母さんですね。

 といって、延裕さんの句が、もし「…困った母さん」だったら、それは説明のしすぎです。

 高行さんの、目覚めて確認する「枕元」―。その気持ち、よく分かります。もっとも、ほんとに恐竜がいたら大変でしょうが。

 ふつうのトマトより作りやすい、かどうかは知りませんが、まるむさんの「ミニトマト」、前句の「チョコチョコ」によく付いています。

 私ごとですが、桃菴農場では今年、姫リンゴが大豊作。朝夕チョコチョコと世話はしました。

 猫の子さんの句は、連歌を始めてみたものの、どうも「性」に合わぬ、わけではなさそう。思うように「字数」が合わぬ、ということらしい。

 この際、ついでに申しておきますが、そういうときにもコツはあります。句の切れ目と、意味の切れ目はズレていてもかまいません。早い話が猫の子さんの句―。もちろん七七なのですが、意味上は、4・7・4と切れますね。それでいいのです。

 これで初心者のかたも、ずいぶん楽になるでしょう。

          ◇

 次は、きょうの入選句のうちから前句を選んで、五七五の句を付けてください。

              (島根大学名誉教授)

2016年10月27日 無断転載禁止

こども新聞