(81)鷲原八幡宮の大杉(津和野)

鷲原八幡宮の裏山に立つ大杉
樹齢600年超ご神木威厳

 伝統の「流鏑馬(やぶさめ)神事」が行われる津和野町鷲原の鷲原八幡宮の裏山に、町指定天然記念物の「鷲原八幡宮の大杉」が悠然と立っている。樹齢600年以上といわれ、幹回り8・7メートル、高さは約30メートルに及ぶ巨大なご神木だ。幕末の津和野藩の風景や行事を描いた「津和野百景図」にも登場し、住民からは「一本杉」の愛称で今も親しまれている。

 杉の詳細は分からないことが多いが、1405(応永12)年、同町木部にあった鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)の分霊が現在の鷲原八幡宮に遷座された際、ご神木として植えられたという説がある。歴史的、植物学的に貴重とされ、1973年10月、町天然記念物に指定された。

 杉は、1554(天文23)年に鷲原八幡宮が焼失した「三本松城の戦い」の兵火や不審火、落雷など数々の災難に耐えてきたとされる。かつて約40メートルあった樹高は、頂部の枝の老化で低くなったが、依然、県内有数の高さで、ご神木としての威厳を保っている。

 学校の遠足などで大杉を訪れた子どもたちは、その高さや幹の太さに驚き、幹回りを体感しようと、数人で手をつないで杉を囲むという。津和野百景図にも、武士数人が同じように幹を囲む様子が描かれている。

 鷲原八幡宮の近くに住む農業、徳本静夫さん(79)は「地域の自慢の木。長生きしてほしい」と話した。

2016年10月28日 無断転載禁止