きらめく星 海の水をすくう北斗七星

水平線の上に見える北斗七星=10月11日、出雲市多伎町で撮影
 北向きの海岸が観察の名所

つの星がひしゃくの形に並(なら)んだ北斗七(ほくとしち)星(せい)。春には北の空高くによく見えています。ところがそのころは、ひしゃくの口が下向きになって、まるで水をまいているような格好(かっこう)です。

 北斗七星が上向きのひしゃくに見えるのは、秋です。今ごろは、夜になってすぐ、北の空の低いところに目をやると見つかります。地面すれすれに見えるため、北が開けたところが観察に向いています。山陰(さんいん)はおおむね北に海がありますので、多くの海岸が秋に北斗七星を見る絶好(ぜっこう)の名所となります。

 北の空に見える星は、北極星(ほっきょくせい)の周りを回るように動きます。そのため、北極星に近い星はいつも沈(しず)むことがなく、一年中空に出ています。そのような星を周極星(しゅうきょくせい)といいます。北斗七星も北極星にある程度(ていど)近いところにあり、山陰では七つの星のうち、見る場所によって四つか五つが周極星となります。

 つまり二つか三つは周極星ではないのですから、海岸で北斗七星を見ていると、少しだけ海に沈むのです。あたかも大きなひしゃくが海の水をすくうようです。空気の澄(す)んだ夜に、多少時間をかけて、その様子を観察するのもよいと思います。

 ただし、ひしゃくが沈むのは本当に少しの部分ですから、「すくえる」海水もほんのわずかです。もう少し南、九州北部の海岸に行くと、ひしゃくの底が十分沈んだように見えるので、「北斗の水くみ」と呼(よ)ばれるのだそうです。

 この季節の北斗七星は最もひしゃくらしく見えますので、ぜひ探(さが)してみてください。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2016年11月2日 無断転載禁止

こども新聞