仕事みてある記 日常生活の改善へリハビリを指導 

「不自由になった日常生活を改善し、生きがいを取り戻してもらうお手伝い」と、リハビリ指導に取り組む祝部昭子さん=出雲市上塩冶町、寿生苑
 作業療法士

   祝部 昭子(ほうり あきこ)さん (出雲市上塩冶町)



 「不自由になった日常(にちじょう)生活を改善(かいぜん)し、生きがいを取り戻(もど)してもらうお手伝いと思っています」。出雲(いずも)市上塩冶(かみえんや)町、介護(かいご)老人保健施設(ほけんしせつ)・寿生苑(じゅせいえん)の作業療法士(さぎょうりょうほうし)、祝部昭子(ほうりあきこ)さん(53)は、高齢者(こうれいしゃ)に寄(よ)り添(そ)い、障害(しょうがい)がある身体機能(きのう)の回復(かいふく)を目指すリハビリの指導(しどう)に取り組んでいます。


 病気などで右半身が不自由になった女性(じょせい)が、畳(たたみ)スペースで掃除機(そうじき)を使う訓練をします。左手でコードを引き出すところから始めますが、掃除機が動いてしまいます。「足を添(そ)えるといいですよ」とアドバイス。女性は左足を掃除機にあてコードを引っ張(ば)りコンセントに差し込(こ)みます。うまくいきました。スイッチオン。柄(え)を操作(そうさ)し掃除機をかけていくと、笑(え)みを浮(う)かべていました。

 「コードが足にからむようなら、床(ゆか)掃除用ワイパーが安心です」「コンセントに差し込んで体を起こす時、ちょっとふらつきました。立ったり座(すわ)ったりの訓練が少し必要ですね」。患者(かんじゃ)の身体状況(じょうきょう)や日常作業の動作をよく観察(かんさつ)して分析(ぶんせき)し、自由が利(き)く部位で補(おぎな)うなどの訓練を進めていきます。

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 福井(ふくい)県大野市出身。小学校5年生の時、女優(じょゆう)さんが設立(せつりつ)した障害児施設のもようを伝えるテレビを見て感動しました。障害がある子どもたちの役に立ちたいと心に決め、高校卒業後、同県内の病院でリハビリ助手として勤(つと)めました。同病院が医療専門(いりょうせんもん)学校を併設(へいせつ)したのを機に、作業療法士科に入学して3年間学び、国家資格(しかく)を取り、結婚(けっこん)を機に出雲に移(うつ)りました。

 歩く、立つ、座るなど、動作機能の回復を目指すリハビリは理学療法士が担(にな)い、作業療法士はその成果を生かし、いかに日常生活を送られるようにするか、を担当(たんとう)します。医師(いし)の指導の下、手芸や工作、習字などや家事、遊びの動作を活用し、食事、調理、掃除、歯磨(みが)き、入浴(にゅうよく)といった生活に必要な「作業」ができるよう訓練プログラムを作り、指導します。

 「みそ汁(しる)を作る、洗濯(せんたく)物をたたむなど、障害はあっても家庭で役割(やくわり)があると生きがいになります。できなかったことができるようになり『ありがとう』とニッコリされると、私もうれしく思えます」

 訓練は病院や施設で行うほか、患者の自宅(じたく)で行う訪問(ほうもん)リハビリもあります。「生活の場の環境(かんきょう)に合わせた訓練が効果(こうか)的ですから」。そのためにももっと仲間を増(ふ)やしたいと願っています。


★メッセージ

 作業療法士は人のためになる仕事だといわれますが、高齢の患者さんからは人生の知恵(ちえ)や生き方を学び、障害があってもたくましく生きている姿(すがた)を見れば、実は私が人として成長していくための手本になってもらっているような気がします。あなたも作業療法士になってみませんか?

2016年11月2日 無断転載禁止

こども新聞