輝(き)らりキッズ JR三江線に愛情注ぐ

JR三江線の列車を写真撮影する山根思季君=島根県川本町川本、JR石見川本駅
35駅網羅(もうら)のすごろく作成

 「無くならないで」思い込め 撮(と)りためた写真は保存(ほぞん)

   山根 思季(やまね しき)君 (川本小3年)

 JR三江(さんこう)線が大好きな少年が、沿線(えんせん)の島根県川本(かわもと)町川本にいます。川本小学校3年の山根思季(しき)君(9)で、江津(ごうつ)市から広島県三次(みよし)市までの全35駅を網羅(もうら)したすごろくを手作りしたり、列車を写真撮影(さつえい)したりと、中山間地(ちゅうさんかんち)を走るローカル線に人一倍の愛情(あいじょう)を寄(よ)せています。

 自宅(じたく)が線路から約100メートルほどの場所にあるため、走行音を聞いたり、列車と競走したりしながら育ち、自然と三江線が好きになりました。保育所(ほいくしょ)時代には、将来(しょうらい)の夢(ゆめ)を紹介(しょうかい)する新聞記事のコーナーで「三江線の運転士になりたい」と書いたほどで、その思いは今も変わりません。

 三江線に乗ったのは10回程度(ていど)で、江津市から邑南(おおなん)町までの島根県側の全25駅を何も見ずに、順番に言えるほどです。「新幹線(しんかんせん)みたいに速くないけど、車内でゆっくりと会話が楽しめて心が温かくなる」とにっこり。「車両の色も好きで、山の風景に溶(と)け込(こ)んでいる」と話します。県内のJR木次(きすき)線や一畑(いちばた)電車などにも乗車し、撮(と)りためた写真はスケッチブックに貼(は)って大切にしまってあります。

手作りの三江線すごろくを楽しむ山根思季君=島根県川本町川本の自宅
 三江線では、つらいこともありました。2013年夏の豪雨(ごうう)で町内にある鉄橋の橋脚(きょうきゃく)1本が流出するなどし、全線復旧(ふっきゅう)まで11カ月かかりました。父親の山根佳也(よしや)さん(56)は「復旧工事を何度も見に行った」と、三江線を心配していた思季君の当時の様子を振(ふ)り返ります。全線再開時の喜びは格別(かくべつ)で、記念列車に乗車しました。

 しかし、昨年10月、三江線の廃止(はいし)問題が浮上(ふじょう)しました。「無くならないでほしい」との思いを込めて今夏、約1カ月かけて三江線のすごろくを作りました。沿線を流れる一級河川(かせん)の江(ごう)の川(かわ)や、周囲の山を書き込み、中山間地を走る三江線の特徴(とくちょう)を表現(ひょうげん)しました。惑星(わくせい)などがある「うちゅうエリア」も設(もう)け、夢のある作品に仕上げました。

 残念ながら、利用者が少ない三江線はバスへの転換(てんかん)が決まりましたが、18年3月末までは変わらずに走ります。その間に、江津市から三次市までの全線を乗るのが目標と言います。「すごろくの次は、かるたも作ってみたい」と、変わらぬ思いを寄せています。


≪プロフィル≫

【好きな教科】図工

【好きなスポーツ】バドミントン

【好きな食べ物】魚介類(ぎょかいるい)

【好きな色】緑

2016年11月2日 無断転載禁止

こども新聞