レッツ連歌(下房桃菴)・11月10日付

(挿絵・FUMI)
 去る10月9日、大阪天満宮で開かれた第10回「浪速の芭蕉祭」で、献詠入選作の発表がありました。前句付の部では、はなやのおきなさんの、

  蚊の鳴くような声に目が覚め

 布団干す明日の天気が案じられ

が、みごと大賞を獲得。子どものオネショを詠んだ作品ですが、「オネショ」ということばを伏せた点を、私は高く評価いたしました。

 レッツ勢からは、この他、同じ前句に付けた、山崎まるむさんの「いい加減補聴器くらい買いなさい」、黒田ひかりさんの「猫の子が雨やどりする縁の下」、佐々木滋子さんの「新しいアラームの音いかがです」などなど、14句もの作品が佳作に選ばれました。

 レッツの宣伝もしておきましたので、今後は他府県からの応募が増えるかもしれません。

           ◇

 心ときめく金曜の夜

日めくりに目立たぬほどの丸印 (雲南)横山 一稔

あの人を噛(か)んだらダメよ分かったネ

              (奥出雲)松田多美子

五年目の同窓会は泊まりがけ  (飯南)塩田美代子

ドラマには夢見るような恋があり(雲南)妹尾 福子

影伸びた頭のとこを掘るんだな (美郷)芦矢 敦子

年老いてハイヒールはもうやめました

               (出雲)三島リチエ

ライターがシュボッと鳴って照らす胸

               (浜田)三隅  彰

夕食の片付け残し見るドラマ  (出雲)石飛 富夫

今週は船越さんが刑事役    (松江)土江 ユミ

カレと行く気持ちはすでに雲の上(出雲)安食 直美

777夢に出てくる大フィーバー(江津)井原 芳政

半ドンを知らぬ世代はそうなのか(雲南)錦織 博子

ハロウィンはどの着ぐるみで行こうかな

               (江津)江藤  清

常連と会う羽田行き最終便   (出雲)栗田  枝

元カレと見て見ぬフリですれ違い(江津)岡本美津子

冷めてみりゃバカさ加減が身に染みる

             (出雲)はなやのおきな

今度こそ当たる気がするナンバーズ

             (隠岐の島)中前さつき

バアさんは留守スルメ焼くいい匂い

               (松江)田中 堂太

合コンはイケメンよりもウニアワビ

               (江津)星野 礼佑

路地裏へ通い続けた若き日々  (江津)植地 幸男

年金と一日早くご対面     (浜田)勝田  艶

天気予報確かめている太公望  (出雲)原  陽子

父さんが来ると決まった発表会 (益田)石田 三章

言わずとも分かってくれる人がいて

               (出雲)矢田カズエ

集まった付句のはがき選(よ)り分けて(松江)持田 高行

サアあなた休日出勤がんばって (松江)山崎まるむ

ごほうびは冷えたビールと柿の種(出雲)飯塚猫の子

お父さん力道山が出ましたヨ  (益田)石川アキオ

お隣もテルテル坊主つるしてる (松江)福田 町子

はやばやと子らは自室に引っこんで

               (益田)吉川 洋子

人の気も知らずあなたは飲みほうけ

               (松江)三島 啓克

カラコロと軽やかに行くお湯の街

              (鳥取)上山いっぺい

週一の希望をのせた新幹線(沖縄・石垣)多胡 克己

恒例の第九の稽古始まって   (益田)竹内 良子


 まるむさんの句は、原作の「ネエ」を「サア」に変えさせていただきました。悪くはないでしょう。

           ◇

 次の前句は、

  言っちゃ悪いが言わなきゃ分からん

 将棋の故升田幸三名人の「名言」だそうです。

 五七五の句を付けてください。

(島根大学名誉教授)

2016年11月10日 無断転載禁止

こども新聞